東川口の北斗星食堂車「グランシャリオ」レストラン  その1


寝台特急「北斗星」と聞くと、いまでも北へと旅立つ時のワクワク感や豪華列車の一晩の旅情を思い起こす人も多いのではないかと思います。

「北斗星」のたくさんの思い出の中でも、食堂車「グランシャリオ」での食事のひと時は、ディナータイム・パブタイム・モーニングタイムいずれをとっても、毎回北斗星に乗った時の記憶の中でも一番の思い出がそれぞれにあり、「あの時はあの料理を食べたっけなぁ」と記憶の中に蘇ってきます。

(↓ディナータイムの準備が整った食堂車「グランシャリオ」)
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(↓JR東日本のグランシャリオは、以前はクリスタル調のテーブルランプが食事のひと時を飾った)
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(↓フレンチディナーコースの前菜「北の海の幸のサラダ」)
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(↓パブタイムの海の幸クリームパスタとチョコレートのアントルメ)
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(↓モーニングタイムの洋食セット)
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「北斗星」の運行が完全に廃止された後、「北斗星」で使われた多くの客車は解体の運命を辿りましたが、ごく一部の客車はJR東日本から民間企業に譲渡されました。
その中のひとつ、北斗星の食堂車として活躍した「スシ24-504」が、埼玉県の東川口でレストランとして新たにオープンしたということで、友人を誘って行ってきました。



場所はJR武蔵野線の東川口駅南口から歩いて10分ほどの、閑静な住宅街の中です。
駅から一本道ですので、初めてでも迷うことはないと思います。

駅から歩いていくと、木の陰に青い車体が見えてきました。
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青い車体に金の帯、そして横長の窓が並ぶそれは、あの北斗星の食堂車そのままの姿です。

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車端部には、往時のままの表記やプレートが残されていました。
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この食堂車は、株式会社ピュアホームズが経営するレストラン店舗の敷地内の一角に鎮座しています。
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車体には「スシ24 504」の文字プレート。
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「スシ24-504」は、元は1973年に485系特急型電車の食堂車「サシ481-64」として、東急車輛で誕生しました。
初年度に向日町運転所に新製配置され、翌年には青森へと異動し、主に東北特急の食堂車として活躍していました。
1988年に、JR東日本担当の「北斗星5・6号」に連結する食堂車として新津車両所で改造が施され、「スシ24-504」として生まれ変わりました。


足元は現役時代の頃のままの台車をそのまま履いていて、地面にガッチリと固定されたレールの上に乗っています。
上の客車部分は、この台車に乗ったままの状態ですので、近くの道路をトラックなどが通ると車体がちょっとだけゆらゆらと揺れる感じがあります。
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床下部分も大きな改造はされていないみたいで、大きな水用タンクなどもそのまま。
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食堂車の入り口は、併設している各レストランと共通の門から入ります。
門をくぐると真正面に「リストランテ・ナグラ」。古民家風の佇まいのレストランです。
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右には「そば処 名倉」
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そして左側に食堂車「グランシャリオ」の入り口があります。
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食堂車へは、車内厨房側の車端部から入って、デッキ通路を通って店内に入ります。

こんな顔出しパネルも置いてありました。
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今日はランチタイムのイタリアンコースを予約しておきました。
予約の時間が近くなってきたので、さっそく車内へと入ります。

厨房脇の通路は、壁やカーペットも現役時代のまま。
揺れながらここを通ってディナータイムの食堂車へ行った時のことや、モーニングタイムのオープン待ちをした時のことが脳裏に鮮やかに蘇ってきます。
真冬の北斗星に乗ると、業務用のドアから吹き込んだ雪が、この紫のカーペットを真っ白く染める光景も思い出されます。
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この通路には手洗い用の洗面スペースが小さく設置されていますが、これもそのまま残されていました。
しかも、足元のペダルを踏むと、蛇口からシャーッと水が流れてきてビックリです。
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通路から客席へと入る仕切りドアも現役時代のままです。
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「GRAND CHARIOT」の金のパネルも残っています。
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通路の仕切りドアを開けると・・・

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テーブルも椅子もカーペットも、天井の照明もカーテンも、この空間の全てが「北斗星の食堂車」として現役引退した時のままの姿でした。
「昨日まで、北海道まで走ってました」と言われても信じるレベルです。

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(↓ 現役時代の北斗星として走っていた頃の食堂車車内(スシ24-506))
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(↓ 今の食堂車レストランの車内)
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どうですか? ここまで現役で走ってた頃のままの姿を残しているのってすごくないですか?
店舗としてオープンさせる際には、オーナーさんの意向や趣味でカーテンやカーペット、テーブルクロスが交換されたり、椅子の生地が張り替えられたりして、それらの色調が全然違うものに変わってしまうと、以前の食堂車として走ってた頃とは全く違う雰囲気になってしまったりするものですが、ここのは「北斗星再現度99%」と言えるほどで、ある種の感涙モノです。

客室内で大きく変わっているといったら、室内用エアコンが取り付けられていることぐらいですが、客室内全体が「北斗星のまんま」なので、視覚的にこのエアコンはほとんど目立たないです。
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ほかにも、こんなものも残されています。
現役当時の時刻表。食堂車のスタッフさんが業務用に使っていたものです。
青函トンネルへの突入時間や発着番線も記載されています。
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食堂車に積み込んで販売していた商品の賞味・消費期限の一覧表。
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お会計のレジの上には「Suica使えます」のステッカー。(現在の食堂車レストランではICカードは使えません)
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禁煙のステッカー
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温度計もJRロゴが入ったものがそのまま残されています。
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オーナーさんはきっと、現役の頃のままを活かす形でこの車両を引き取ってオープンさせることに強くこだわって譲渡の話を進めたんでしょうね。
往年の名列車「北斗星」の旅を髣髴させてくれるかたちで、この食堂車を購入して、一般向けにレストランとしてオープンさせてくれたことに本当に心から感謝!感謝!です。


次回は、食堂車車内でのランチタイムの模様をご案内します。

(つづく)

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