パンフレットに見るJR特急ヒストリー -Vol.5 1991


1991年です。

世間はバブル景気は徐々に崩壊し始め、この年から現在まで続く平成不況が始まりの時を迎えます。
しかしこの頃はまだ「不況」という感じはさほどでもなく、世の中ではまだまだ好景気を引き摺ったような浮き足立った雰囲気だったそうで。

JR各社からも、以前から開発を続けていた華やかな新型特急がまだまだ次々と登場。


■253系 成田エクスプレス
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都心から遠い遠い「成田空港」へのアクセスを劇的に変わったのがこの年。
空港直下に乗り入れる新線とJR線が結ばれ、空港アクセス特急「成田エクスプレス」が登場しました。

「空港連絡」という特殊な用途に限定使用されるため、車内はぶっ飛びなインテリアを採用。
当時のJR東日本の「野心」のようなものが全面に押し出されたように思えます。

その後、時代の変化や利用者数の増大に伴い、特に車内は大きく姿を変え、JR各社の新型特急の中でも一足先に全面的な引退に至ったのはわりと最近のことで記憶にも新しいところ。

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外国人利用者向けに、英語での案内パンフレットも首都圏の比較的大きな駅に設置されていました。
今だったら、韓国語・中国語も併記されているんでしょうね。



■371系 「あさぎり」
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JR東海と小田急の共同企画で登場した特急「あさぎり」。
御殿場・沼津から東伊豆へのアクセスを主眼にした、どちらかというと「リゾート」タイプの新型特急。
JR東海と小田急それぞれで新型車を開発・登場させましたが、JR東海のそれは先頭がカプセル型という前代未聞の形状をした車両。

こちらのパンフは駅配布のものではなく、おそらく試乗会やマスコミ向けに配布されたカタログタイプのものです。たしか東京の鉄道廃品なんかを扱うグッズ店で買ったものではなかったかと。

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運転開始記念のオレンジカードも持ってました。



■キハ183系 キサロハD/D車組込 「スーパーとかち」
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前年に「おおぞら」から分離して新設された新特急「とかち」。
デビューから1年もしないうちに、2階建てグリーン車を編成に組み込んだ特急「スーパーとかち」に新装オープン(?)となり、先輩の「おおぞら」号より格上かつ魅力ある列車に生まれ変わっちゃいました。

新型2階建て車両は、2階がグリーン客室・1階は2人用の普通車個室で構成され、JR北海道ご自慢の「リゾート特急」のテイストを定期特急向けに反映させたもの。

人気だったこの2階建て車、その後は振り子新特急「スーパーおおぞら」の登場などで釧路方面の特急が抜本的に再編された煽りで10年も経たずに編成から抜かれ保留扱いに。
「オホーツク転用」「はまなす転用」が噂されるも、未だに釧路の車両基地の片隅で4両数珠繋ぎで風雨に晒される日々。嗚呼、無情。



■485系ジョイフルトレイン 「リゾートエクスプレス ゆう」
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水戸エリアの団体専用車だった旧型客車の「ふれあい」が老朽化で引退するのに伴って、その代替で生まれた新しいジョイフルトレインがこの「ゆう」。
「ふれあい」がお座敷車だったのに対して、ソファータイプの座席やサロン、ディスコフロアに展望ドーム席などで完全に若者向けの仕様で登場しました。先頭形状もかなり奇抜です。

それにしてもモデルさんのファッションがすごいですな。
・・・・肩パット?!




ちなみに7年後の1998年には、こうなっちゃいました。
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・・・・先祖がえり!?
お座敷化改造が施された後もイベントカーのディスコフロアはそのまま残されたため、お座席+ディスコという組み合わせの、おそらく日本で一番のシュールさを極めた編成の列車かと。



■日韓航路 「ビートル2世」
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前年に博多~平戸~オランダ村航路で登場した「ビートル」に兄弟船が登場。
JR航路としては初の国際航路となる、博多~釜山間に「ビートル2世」のデビュー。

当時はまだ「韓流ブーム」なんぞの言葉はない頃で、集客にもかなり苦労したそうです。
しかし先見の明に長けていたJR九州はさすがで、このあと数年後に訪れる韓国への個人旅行ブームに向けて「B2」は着実な運行実績を重ね、そのブームが到来すると週末は予約が困難なほどに。
その後は船体数を4機まで増やし、競合する航空路線を運行廃止に追い込むほどまでに大成長を遂げました。

パンフレット案内を見ると、登場当時の「B2」の船内は「B1」と似たブラックベースのシックなものだったようです。メインデッキの販売カウンターは、現在では「グリーン席」が設置されていますね。



ちなみに1991年はこんなことがありました。

--JRグループのできごと--
・東北上越新幹線の東京駅乗り入れ開始
・特急「はつかり」 青函トンネル内で140KM/H運転を開始
・寝台特急「あけぼの」「なは」「出雲3・2号」に個室車を連結開始
・常磐線に2階建て普通車「クハ415-1901」が登場
・キハ200形「赤い快速」が運転開始
・「夢空間」が「北斗星トマムスキー」号で初の一般営業運転
・JR東日本が「イオカード」システムの一般利用を開始(当時は山手線内のみ)
・七尾線電化開業 「スーパー雷鳥」「しらさぎ」が乗り入れ開始
・「佐久間レールパーク」がオープン
・山形新幹線工事本格化 特急「つばさ」は仙山線経由に変更
・寝台特急「北陸」チェックアウトサービスを終了
・寝台特急「みずほ」「出雲1・4号」の食堂車が営業休止に
・リニア宮崎実験線でMLU002がタイヤのパンクで炎上→全焼
・251系「スーパービュー踊り子」がローレル賞を受賞


--世の中のできごと--
・多国籍軍のイラク空爆で湾岸戦争が勃発
・東京都庁が新宿へ移転、新東京都庁舎が開庁
・ 「WOWOW」が放送開始
・千代の富士が現役引退
・東京・芝浦にジュリアナ東京がオープン
・ロッテ球団が本拠地の千葉への移転・新ネーム「マリーンズ」を発表
・NECが「PC-9801NC」を発売
・パンナムが運航停止、倒産
・ソビエト連邦が崩壊、ゴルバチョフ大統領は辞任
・ドラマ「東京ラブストーリー」、主題歌「ラブストーリーは突然に」が大ヒット



次回は1992年。
この年はかなり大盛り上がり。名車と誉れ高い車両がいくつもデビューします。

この記事へのコメント

ちゅう : 2010/11/14 (日) 07:17:16

N'EX 翌年だったかな、上海への社員旅行で早速乗りました。向かい合わせは最悪でしたけど。中国では人も"スレて”無くて、とても良い雰囲気でした。(はははっ)

>「スーパーとかち」
この列車無くして、私の北海道行が60余に及ぶ事は無かったでしょう。デビューしてから廃車までG車を乗り倒しました。北斗には早くからハイデッカー車が有ったのですが2階からの眺望は群を抜き、地形ヲタでもある私の興味を刺激してくれました。
(北海道への興味は、堀淳一という元北大の地理学の教授の本を見てから始まりました)

それにSおおぞらって、夏シーズンに釧路ー札幌間を通しでなかなか取れないのですが、帯広まではOKなので、豚丼でも食べてSとかちに乗っちゃえば良いのです。
「Gフリーきっぷ」でしたし…

>寝台特急「あけぼの」個室
意外に登場が遅かったんですね。それでも、寝台列車最高の利用回数って、自分の好みが偏ってます。東北旅だけとか行き帰りに利用出来るきっぷも多かったし(笑)

こうやって一年毎とかの年表にしてもらうと、自分の記憶の曖昧さが補正されて助かります。

京九快速 : 2010/11/14 (日) 13:36:56

ちゅうさん こんにちは

>あけぼの個室車
「北斗星」「夢空間」「北陸」で個室車両の製作に慣れただけあって、「あけぼの」用の個室は実用的でも居住性と豪華さには遜色ない立派な車両に仕上がっていると初乗車の時に感じました。
A個室の通路のダウン照明なんかは、「これがあの『あけぼの』?」と思うほど高級感ありますよね。
あとはシャワー設備があれば完璧だったのに。

>NEX
ヨーロッパの特急をイメージしてボックス席になったみたいですが、日本の特急なんだからそんなに外国志向に傾倒しなくてもよかったのにね・・・と今となっては後の祭りどころではないですが(汗)

通りすがり : 2010/11/19 (金) 01:40:15

こうしてみるとNEXの気合の入り方は半端じゃないですね。
賛否両論のあのボックス席は、座席下に荷物を置けるように・・・という配慮からだったと思います。
NEXは乗車時間が短いですし、私としてはあれでよかったと思うのですが、問題はその後で。
集団見合い式になったせいでスーツケースを置けなくなったし、かといってリクライニングもしないし。(笑)

良くも悪くもE259系は「普通」になってしまって、651系や251系の後継車も、まあこんな風になるんだろうと思うと、少し寂しいですね。
またJR東日本の、とんがった特急車両を見たいものです。

京九快速 : 2010/11/19 (金) 23:25:33

通りすがりさん こんばんは

よくぞあそこまで気張ったものだと感心します。
あそこまで挑戦的なものは、きっともう出てこないでしょうね。

良いという意見、ダメという意見、いろいろ考えた末に方向転換を図って末期のような内装に変えていったのだと思いますが、あの集団見合い式の座席配置はJR東日本もきっと苦心の策だったのでしょう。

>またJR東日本の、とんがった特急車両を見たいものです。
651系の後継は望み薄な予感ですが、251系の後継はぜひとも「JR東日本が今、本気を出すとこうなる!」みたいなもので出して欲しいところです!

KRX : 2010/11/20 (土) 21:38:05

はじめまして。
いつも「座席探訪」見させていただいております。

253系N'EX今では懐かしくなりましたね。
8月にN'EXに乗りましたが、もうすべてE259系でした。

そんな253系が来年4月から
東武鉄道直通「日光」「きぬがわ」用車両として
生まれ変わることが決定いたしました。

イメージ画像である程度判明したのですが、
どんな座席になるのか楽しみですね。

そのときはまたレポを宜しくお願いいたします。

京九快速 : 2010/11/21 (日) 22:56:33

KRXさん こんばんは はじめまして

いつもサイトをご覧下さりありがとうございます。
東武直通用に生まれ変わった253系はすごい姿になりましたね。内装がどのように変更されたのか、益々楽しみです。
機会があれば、早めに乗ってレポしたいと思います。

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