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ANA ボーイング777撮影ツアー -We Are TEAM 777-



2023年3月にANAのボーイング777撮影会が開催されました。

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ANA ボーイング777撮影ツアー We Are TEAM 777 (ANAチャーターイベント特集ページ)

格納庫前に置かれたボーイング777型機を、ぐるっと360度好きな角度から間近に撮影できるイベントです。
屋外でこうした自由度の高い旅客機の撮影会が行われるのは、保安警備の点から非常に珍しく、ANAでも初めてのことらしいです。

撮影タイムは約75分と、なんと1時間以上も設定。
さらにトリプルセブン専属のクルーや整備士によるトリプルセブンに特化した講習会も行われ、このイベントのためだけに作られたトリプルセブンのグッズが複数お土産に付いてくるという、かなり太っ腹な内容。



(以下、記事中に掲載している画像はすべてANAより公開許可の承認を頂いております)


これだけ充実した内容で、ファンの目にもセンス良く映るオリジナルグッズが付いて、参加費が1万7,770円という破格のお値段。

近年はJR各社が有料撮影イベントを数多く催行していますが、イベント参加時間が1時間にも満たない短さだったり、あまり撮影に向いていない環境だったり、その割に何万円もの高額設定だったりしているケースが見受けられるようなので、それを考えても、今回ANAが企画してくれたこの撮影会はまさに神イベントなのでは・・・! と思い、迷うことなく受付開始と同時に即申し込みしました。

ちなみに、イベント設定日の両日全ての回は、発売開始から2時間ほどで完売になっていました。




イベント当日の集合場所は、新整備場地区にあるANAのコンポーネントセンター。
通年でANAの機体工場見学ツアーが催されているあのビルです。


建物の中に入ると、整備士さんやパイロットの方がいっぱい出迎えてくれてビックリしました。
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エントランスホールにはこんなものが展示されていたので、一瞬言葉を失いました。
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ANAのボーイング777-200ERのJA743Aの機体パーツです。
パーツが黄色く塗られているとおり、スターウォーズ特別塗装機の「C-3PO」ジェットのものです。(↓この飛行機)
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左のは機体中央下部の胴体パネル、右のはノーズギアの格納パネルです。

ちょうどこの頃、JALがB777-200を自社解体して、発生したパーツなどでグッズを作って販売しているのが話題になっていたので、この「C-3PO」ジェットも自分が知らない間に退役→解体されてしまったのかと思いました。

パネルの説明をしてくれた整備士さんに「引退して解体されちゃったんですか?」と聞いてみると、笑いながら「今ちょうど格納庫で整備を受けているところで、まだまだ活躍しますよ。今日はトリプルのイベントなので、運んでこれそうなパーツを外して持ってきました」とのことでした。

まだ引退しておらず、それどころかまだまだ活躍しますよという声を聞けて一安心。

しかし、「ちょうど格納庫で整備中」ということは、JA743Aは今日の撮影会イベントの主役ではなさそうです。




高く積み上げられたオイル缶。 これはANAの部品ガチャで、1個2,200円。
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缶の中には、交換で不要になった旅客機のパーツがランダムに入っていて、何が当たるかは缶の蓋を開けてからのお楽しみ。
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2缶、3缶と買っている人もいました。 私はガチャの引き運が生まれつき悪いのでやめておきました(笑)


こちらはピトー管やアンテナなど、実機についているパーツ類。
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工場見学の時と同じように、エントランス内のコンビニでANAグッズ類が購入できます。
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受付開始時間となり、イベント中に常時身に着ける身分証明書を貰って、まずは講習会が行われるホールへ。

ビル内の移動の途中で、ボーイングから贈呈された50機目のボーイング787受領記念のタペストリーが飾られていました。
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ホールは、かなり昔に格納庫見学の時の航空教室で使われていたところで、めっちゃ懐かしかったです。

ANAの歴代フリートのポスターや模型、古い座席などが展示されていて、講習会が始まるまで自由に見学できました。
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講習会は約1時間。

パワーポイントのスライドショーを使って、トリプルセブンのキャプテンや整備士さんが、トリプルセブンのこれまでの歴史やトリプルセブンのフライトで一番思い出に残っていること、トリプルセブンのここが大好き!ここが他機種には負けないすごいところ!などなど、ANAの中の人が各々のトリプルセブン愛をこれでもかと喋り倒して語り尽くすという、講習会というより変態すぎるオフ会みたいなノリがすごかったです(誉め言葉)


いざ撮影エリアに移動する順番待ちの時に、引率のスタッフさんから「ちなみに機種は何が一番好きですか?」と聞かれ、同じグループの方々がトリプルセブンのレジ番を口々に言ってるのを聞いて、「それもう機種じゃなくて特定の機体だろ」と思いつつも「747のSRが一番好き~」などと発しようものならKYの烙印が押される状況にあることを察し、もうトリプルセブンしか勝たん!な場の空気を読んで「JA731Aのスタアラペイントは迫力あって一番好きな飛行機です~」と答えてしもうた・・・許せSRよ・・・。



と、そんなこんなでいよいよ撮影エリアへ移動。

途中格納庫の中を通りますが、一般の工場見学とは違うので、せっかくA320がいてもほぼスルー。
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C-3POジェットがいました。ガッツリ足場が組まれた状態でよく見えないのが残念。
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格納庫内の通路を延々と歩いて、小さな出口から外に出ると・・・・・


いきなりこのド迫力ですよ。
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ドドーン!と今日の主役がお出迎え。

国内線用のボーイング777-300が来るのかな~と予想していましたが、ボーイング777-200のJA714でした。
ER型を含めるとANAにはまだ多数の-200型が国内線で活躍しているので、特に珍しい機種というわけではありません。

ただ、今回わざわざこうしたイベントに持ってくる機体ということで、ANAもそのあたりの機体選定はしっかりとマニア心を掴んだ機体を用意してくれていました。

このJA714Aという機体、ANAにはもう2機しか残っていない非ER型の純粋なB777-200でして、JA713AとJA714Aのうちの1機をわざわざ機材繰りを調整して撮影会の2日間はスケジュールを開けて持ってくるということで、ANAのマニアックにトリプルセブンを楽しんでもらおう!というイベント精神を感じました。

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撮影会は約10名づつ4グループに分かれ、グループごとに機体を中心に右回りと左回りに分かれて、機体360度をぐるっと回りながら撮影していきます。

柵とかロープとか張られていない状態ですが、やはり参加者はみんな飛行機好きで航空安全の常識を持ち得た人ばかりということで、軽々しく機体に近づこうという人はいませんでしたが・・・

ANAのスタッフさんから「もっと近づいて大丈夫ですよ!」「もっと寄って、思いっきりトリプルを撮ってあげてください!」と声が掛かり、ビックリするくらい機体の近くによって撮影することができました。

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撮影会申込ページの注意書きの「広角レンズ (フルサイズ 20mm程度) の持参を推奨いたします。」は、マジでした。

ミラーレスの超広角11mm-22mmレンズを持って行ったのですが、撮影位置によっては11mmでも機体から主翼が全て収まり切らないほどまで機体に近づくことができました。
いちおう望遠レンズも持って行ったのですが、撮影会中は、機体の一部を切り取るようなドアップ写真を撮る以外はほとんど使用しませんでした。


PW4074エンジン。 このエンジンを装備した機体は、日本にはもうJA713AとこのJA714Aの2機しかいません。
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主翼の真下にも入らせてくれたので、空港のグラハンさんじゃなければ絶対に見られない、こんな光景も。
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主翼の先端に細かく付いている毛のようなものは、放電索。 機体に落雷した際や、溜まった静電気を空中に放電するものです。
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翼から出ているホースみたいな部分は、緊急着陸の時などにここから燃料を投棄・放出されます。
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超広角レンズを使っても水平尾翼がファインダーに入りきらなかった~・・・
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APUの排気口。 このAPUの形状は機種によってかなり差があるので、機種を見分ける時のポイントになりやすい場所ですね。
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この時は、エンジンは回していませんでしたが、APUは作動させていました。
「機体を撮影するだけならAPUも切ってた方が、微量とはいえANAにしてみれば無駄な燃料使わなくて済むのになぁ」と思ったのですが、実は意味があってAPUを作動させていることが後で分かることになります。


APUとそびえ立つ垂直尾翼の真下を通って、機体の左側から右側へ移動。
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機体最後方の上部に、ピョコンと飛び出た謎のパネル。
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これは、APUの給気口。 トリプルセブンではAPUを動作させた時だけ、このようにピョコンと給気口が開くようになっています。

ちなみに、トリプルセブンのAPU排気口はこちら側には開けられていない関係で、左右でAPUから発せられる排気音のうるささが全然違い、排気口が無いこちら側はとても静かなので驚きました。


メインギアはトリプルセブンの巨体を支える部分だけあって、望遠レンズで遠目に見ても大迫力です。
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今回いろいろ撮影した中で、個人的に一番好きな1枚。 
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トリプルセブンのボリューミィーなボディとエンジンの巨大さが、1枚に上手く収まったかなぁと思ってます。


羽田新整備場地区の格納庫前がイベント会場だったので、撮影会中はA滑走路に着陸する飛行機やD滑走路に向かう誘導路を行く飛行機も撮り放題でした。
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(ただ、ブログやSNSにアップする時は、ANAもJALも工場見学などでは「他社の飛行機の画像は掲載をご遠慮ください」がお約束なので、今回はANAの飛行機のみ掲載OKの許可が出ました)

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コックピットからキャプテンが手を振ってくれてる~!
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撮影会のほうは、今度は機体の左側をいろんな角度から撮影。
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こんなノーズ部分を下から見上げるようなところまで近づいて撮らせてくれました。
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動翼装置を作動させるところを披露するということで、参加者は左右主翼の後方に集められました。

これは、通常の状態の主翼。
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スポイラーがバコン!と立ち上がり、フラップがベローンと下がりきった状態になるまでの動作を実演で見せてくれました。
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目の前でフラップとスポイラーが動作するところが見られる機会なんて滅多に無いので、これはぜひ動画に収めたかったのですが、イベント参加の案内に「動画撮影および音声録音は、全ての場所でできません」とあったので、動画撮影できなかったのが残念!


今回、展示してある飛行機の撮影会なのに、わざわざAPUを作動させて機体の電源を入れた状態にしていたのは、この動翼装置の実演をわざわざ見せてくれるためでした。ANAのイベント盛り上げ力、ホントにすごい!感服いたしました。


で、「先ほどの動翼装置のデモンストレーションを操作した整備士に、みなさん拍手をお願いします!」と、整備士さんがコックピットから身を乗り出して手を振ってくれるとか、こんなん飛行機好きが盛り上がらないわけないやん!
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最後にちょっと時間が余ってしまったらしく、機体前方エリアに限り自由に移動して撮影させてくれました。
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カメラを地面に置いて、ポストカード風な感じで撮ってみたり。
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(こんなのは序の口で、マジで地面に寝っ転がって撮っている強者もいた)


超広角レンズのままでギリ近づけるところまで接近して、ちょっとトリッキーなアングルで撮ってみたり。
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で、最後は、真正面からすまし顔のトリプルセブンを撮影して、今回の撮影会イベントは終了。
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再び格納庫内を通って戻る際、ドリームライナーがレドームを開けている珍しい光景を見ることができました。
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最後に参加記念のグッズを頂いて、解散となります。
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ミニトートバッグが手渡され、その中には・・・
・トリプルセブンのステッカー
・メッセージカード
・今回の撮影会限定のフライトタグキーホルダー (初就航時の777尾翼が懐かしい)
・今回の撮影会限定のカメラストラップ (ボーイング書体でWe Are TEAM 777のロゴ入り)
が入っていました。


イベント終了後も、多くの整備士さんやパイロットさんがエントランスホールに見送りに来て下さり、飛行機の話をしたり、一緒に記念撮影して下さったりと、最後の最後まで楽しく華やかな雰囲気のイベントでした。





(おしまい)

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