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【祝・787系つばめ30周年】787系にいろいろ乗る九州旅 その8:特急ソニック52号 大分→博多



(前回からのつづきです)


787系特急「にちりん」号のグリーン個室で、宮崎空港から大分までやって来ました。


大分からは特急「ソニック」に乗り換えて博多へと戻ります。

宮崎空港から乗ってきた「にちりん」14号は、大分駅の同じホームですぐに「ソニック」50号に乗り換えられるのですが、「ソニック」50号は885系「白いソニック」だったので、1本後の883系で運転される「ソニック」52号にしました。
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大分駅では、883系の列車は「青いソニック」、885系の列車は「白いソニック」と案内が出るので、鉄道好きなら充当される形式が一目で分かります。


883系“sonic883” インディゴブルーの青い車体が非常にカッコイイです。
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ポップでファンキーな唯一無二の独創的なデザインは、1994年のデビューから28年が経ちましたが全く古臭さを感じさせません。
むしろ、このデザインが約30年前のものだというのが信じられないくらいです。

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885系特急「ソニック」37号 大分駅到着入線シーン動画





「ソニック883」が大好きなので、九州に来ると旅程の調整をして必ず「ソニック883」に一回は乗るようにしてるんですが、実は5両編成に増結で組み込まれた「モハ883-1000番台・サハ885-1000番台」が連結されている編成に当たったことがまだ1度もありません。

883系の編成の中に885系の車体設計で組み込まれた、鉄道好きの間で俗に言う「ソニック884」で、車内のインテリアが従来の883系とも885系とも違うデザインになっているので、ぜひ乗ってみたいと思っているのですが。
なぜか私が予約して乗車する883系「ソニック」は毎回、登場時から7両編成だったAO1~5編成ばかりに当たります。

今回乗車の「ソニック」52号も元から7両編成だったAO-4編成だったので、「ソニック884」を見ることはできませんでした。


883系の行先表示機は、全編成が回転幕式となっています。
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南福岡の787系の方向幕がLED式に改造完了したら、今度は大分の787系と883系もLED式への改造が始まるのかな?


特急「ソニック」の一部の上り列車は、3号車の指定席が途中の小倉から博多まで自由席となります。
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これは、「ソニック」の走る博多-大分間の旅客流動が小倉駅で大きく入れ替わるのと、小倉~博多間は短距離乗車の自由席需要が非常に高いため、自由席の座席提供数を増やす施策として、このような座席運用を行っています。


博多まではグリーン席を確保しました。
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ネット限定販売の早得きっぷを購入すると、特に「ソニック」と「かもめ」はグリーン席が通常の指定席利用以下の金額で、指定席に至っては乗車券プラスアルファ程度の金額で購入できるので、九州の特急はネット予約が超オトクです。

今回もネット早得きっぷで、とても安くグリーン席を購入することができました。



1号車のデッキ。相変わらずのギラギラメタメタな雰囲気でテンション上がりますね。 画像右奥がグリーン客室です。
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普通車のほうも見に行ってみました。
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座席のモケットやヘッドレストの革の色が車両によって色違いになっていて、号車ごとにけっこう雰囲気が異なります。


床は一面フローリングで、九州以外ではなかなかお目にかかれない雰囲気です。
フローリングの床には、こんなロゴとマークが焼き印されているという凝りようです。
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デビューから10周年となった2005年に今の姿にリニューアルされた883系ですが、リニューアル前は座席モケットの柄も床のカーペットの模様もかなりファンキーな装いでした。
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一部の普通車車両には、客室の真ん中に「センターブース」と呼ばれるボックス席がありましたが、こちらはリニューアル時に撤去されています。
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787系「つばめ」では、ボックス席はビュッフェのあった車両に6区画がまとめて設置されていますが、787系が運転を開始した後は多くの「つばめ」で指定席が取り難い状況になったにもかかわらず、このボックス席だけは稼働状況が非常に低い状態が続きました。

JR九州では「編成中の1両だけに集中して設置してあるため、利用者にこういった席もあるということが認知されていないのではないか」という結論の元、883系では開発時にボックス席が分散配置されることになりました。

883系では、2号車と4~7号車の普通車5両の客室の真ん中にボックス席が左右1区画ずつ配置されました。
特に4~7号車は自由席として使われる車両が主となるのですが、「『つばめ』ではボックス席が指定席だったから、『ソニック』ではボックス席を自由席に配置して、様々な乗客の旅のシーンに合わせて、利用者主体で自由に使ってもらおう」という意図で自由席を中心にボックス席を配置したそうです。

元々の特急「にちりん」の頃の利用者数に対して、883系では比較的余裕を持たせた定員数を確保したので、このボックス席も例えば「ビジネスマン2人が新聞とコーヒーを広げて、向かい合ってゆったり打ち合せしながら出張先へ」とか「週末に2~3人の観光客がテーブルにお菓子やお弁当を食べながら、談笑しつつ次の移動先へ」といった、ゆとりある使われ方をJR九州とデザイナーは思い描いていたそうですが・・・・

実際に特急「ソニック(登場時はソニックにちりん)」が運転を開始すると、新型車両効果で「にちりん」の頃よりも日豊本線の利用者数は徐々に増加に転じ、「ソニック」が増発増備が一段落する頃には、「大分-博多の移動はソニックで」というのが利用者の中に定着しました。

そうすると、今度は自由席の混雑が顕著になり、車内は「ソニックのボックス席でゆったりした旅を」といった状況ではなくなってしまい、特に自由席のボックス席は見知らぬ4人が押し込まれる「気まずい空間」が常態化することになってしまいました。

そんなわけで、883系10年目のリニューアルでこのボックス席は姿を消すことになり、787系よりも先に設備として消滅することとなってしまいました。

ちなみに後発の885系では、787系・883系と同じ轍を踏まないためか、最初からボックス席は設置されませんでした。



デッキはどの車両もアルミパネルで覆われたメタルな雰囲気。デッキ空間が広く取られているのも特徴的です。
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3号車の乗降デッキとは反対側の車端部には、ちょっとしたバーコーナーような雰囲気の空間があります。
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バーカウンターのような長テーブルの反対側には車内販売準備室があり、他の特急車両の車販準備室に比べると、かなり大きく広いスペースを確保しています。

883系が登場した当時は、将来的に博多から宮崎まで行く特急「にちりん」を883系で置き換える構想があったそうで、このスペースをプチビュッフェとカフェバーコーナーとして機能できるようにあらかじめデザインしておいたそうです。
(水戸岡さんはソニック開発当時初期の頃にすでに「将来的に九州の特急は先々どのような使われ方をするか予想できない」と思っていたそうで、このソニックのプチビュッフェのように将来を見越して予備的にわざとデザインした部分が787系・883系・885系の中に多くあるそうです。)


博多から宮崎まで乗り通すと、特急「つばめ」の博多-西鹿児島間に匹敵するかそれ以上の所要時間となりますが、787系のような本格的なビュッフェを883系に設ける計画も企画段階ではあったそうです。
しかし、883系は振り子式車輛での高速運転で到達時間の時短を目指すのが主目的で、立ったままで利用するビュッフェ設備は、振り子で大きく揺れる車両では利用者にもサービススタッフにも負担が大きすぎるということで、883系のビュッフェは企画設計の早い段階で無しになったそう。



ドアの窓越しに車内販売準備室の中を覗き見てみると、短距離の特急用の設備にしては明らかに大きすぎるアイスストッカーが画像右側に見えます。
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えんじ色の四角いバッグが置いてある台がカウンターになり、その奥の灰色の壁は開口式の窓になっていて、ここを開けると通路側に物販カウンターが展開される仕組みになっています。

以前はコーヒーメーカーや電子レンジなんかも置いてあったのですが、車内販売が終了して撤去されたようですね。


883系の「sonic」ロゴは、車内外のリニューアルで885系の「SONIC」ロゴに寄せたデザインのものに変わりましたが、車内のあちこちにはまだ登場時の頃のロゴサインが残っていました。
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指定席と自由席はけっこう多くの乗客を乗せて大分駅を発車。 グリーン席は私一人の貸切でした。

大分から別府の間は車窓右側に海の風景を見ながら進みます。
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グリーン客室には、「パノラマキャビン」という展望サロンコーナーのようなスペースがあります。
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運転席越しに流れゆく展望車窓が楽しめます。


883系特急「ソニック」52号 日豊本線 亀川→杵築 後ろ展望動画



大分駅での乗り継ぎ時間の間に、駅弁を購入しようを駅弁屋さんを探したんですが見つかりませんでした。
(あとで知ったのですが、駅改札フロアのお土産屋さんの一角に駅弁を置いているそうですね)

そんなわけで、お総菜屋さん売り場で「大分からあげ」の弁当を買ってきて、車内で晩御飯に食べました。
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「ソニック883」といえば、高速スピードのまま急カーブに突っ込んでいく振り子走行が特徴ですが、グリーン席が貸切状態でしたので車内で座席に座ったままで車体の傾きの大きさが分かる動画を撮ってみました。

JR九州883系特急型電車”sonic883”
特急「ソニック」 急カーブ通過中の振り子車体傾斜のすごさを車窓の景色から【視聴注意】








大分を発車してからいくつかの駅に停車しましたが、グリーン席には誰も乗って来ず、ずっと小倉駅まで貸切状態。

小倉で進行方向が変わるので、到着前に全部の座席を回転させて向きを変えておいたのですが・・・
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結局、小倉からも誰も乗って来なくて、大分から博多まで私一人の「ソニックのグリーン車貸切」という贅沢な移動が体験できました。
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博多駅に到着です。
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今朝、「にちりんシーガイア」5号で博多駅を出たのが7時30分。
「ソニック」50号の博多駅到着は20時30分。

宮崎空港駅でのインターバルがちょうど1時間で、大分駅での乗り換えが30分だったので、この日は11時間30分ひたすら乗り鉄という一日でした。




改札口の西九州新幹線開業カウントダウン表示は、「あと72日」になってました。
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(つづく)


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ロック

こんにちは

「ソニック883」の爆走ぶりを存分に楽しむなら中津-別府ノンストップの列車だと思っています。

883系と787系だけでなくJR東日本の253系にもいえることですが、優等列車のボックスシートはヨーロッパでは主流でも日本では文化的・社会的背景などから敬遠される傾向にありますよね。

09

29

16:08

京九快速

ロックさん こんにちは。
コメントありがとうございます。

883系と885系を比べると、883系のほうは走りも振り子もアグレッシブで攻撃的、885系はまろやか~な感じがしますね。

ボックス席はかつての国鉄型電車の近郊型・急行型の設備という印象が強くて、特急の座席としては安っぽさとか感じてしまうのかもしれませんね。
あと、日本人はロマンスシートに慣れているので、仲間同士での向かい合わせならまだしも、知らない誰かと向かい合わせに長時間座らされるというのは息苦しいのかも。
「特急の座席=リクライニングして座る」というのも、ボックス席が受け入れられない要因のひとつかもしれませんね。

09

30

21:35

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