lounge SRG 見た目は大人、中身は子供!
(前回からのつづきです)
JR日光駅近くの跨線橋で1時間ほど東武電車の撮影をしたあと、再び東武日光駅に戻ってきました。
東武鉄道では、日光鬼怒川エリアの東武電車が一日乗り放題のフリー切符を販売しているので、それを購入。

フリーエリアの有人駅のみで販売されていて、そのお値段がなんとたったの500円!!
特急スペーシアやリバティ・SL列車を利用する際は、別途料金が掛かりますが、SL列車と絡めてフリーエリア内をちょっと乗り鉄するだけ充分元が取れるので、かなりオススメの切符です。
東武日光駅の特急券売り場に掲げられた、特急空席状況表示。

この日は平日でしたが、スペーシアで運転される特急「けごん」号は、軒並み個室の売れ行きがかなり良いようです。
JR直通の「スペーシアきぬがわ」は、個室料金がJR跨ぎ計算で浅草行きの2倍となるため、この列車の個室だけは空室が「〇」表示。
東武日光駅のツーリストセンターでは、SL大樹のグッズがいろいろ販売されています。

一部は、SL車内でも販売されていない、東武日光駅限定販売のグッズもあったりするので、時間があれば要チェックですね。
ちなみに、この時は500円以上購入でSL列車のヘッドマーク缶バッジを、900円以上購入でなぜか通勤電車のつり革プレゼントのキャンペーンをやっていました。
(ちなみに、このツーリストセンターでのグッズ購入にはクレジットカードが使えます。東武鉄道では乗車券の購入にクレカが使えず、駅売店などでもクレカ利用不可という、非接触決済全盛時代において、なかなか遅れた会社なので、グッズを大量にクレカで購入しようとお考えの方は東武日光駅(と鬼怒川温泉駅)のツーリストセンターでの購入をお勧めします。)
こちらは東武日光駅構内にあるキオスクのような売店。こちらにもSLグッズ・東武電車グッズがいっぱい勢揃い!


子供向けのおもちゃやキーホルダーの類のグッズが多いですが、大人でも使えるハンドタオルやクリアファイル、ICカードケースもいろいろ種類が多いので、ついつい数点を購入してしまいました。
上画像の右側にある「復活!スペーシアテレホンカード」のポスターに、某座席探訪の「スペーシア」の頁で出している私が撮影した画像が使われていてビックリしました。東武鉄道さん、写真使ってくれてありがとう!
フリーきっぷを有人改札で見せてホームへ。 改札口の近くに「リバティ」の先頭部分の精巧な模型が飾ってありました。

めちゃめちゃリアルですね。 ヘッドライトとか光るのかな?
この日、東武日光駅の構内ではたまたま不審者対応訓練が行われていました。
警察署の人もいっぱい来てて、観光駅には似つかわしい物々しい雰囲気でした。

このあと、なぜかSL列車の到着に合わせて訓練が行われ、刺股で不審者を突いたり、護身術のデモンストレーションやったりと、この日の東武日光駅はSL列車に乗る観光客と、駅員さんと警察官の物々しい訓練の対比がなんとも不思議な雰囲気でした。
スペーシアとリバティの並び。


下今市駅から来た「SL大樹ふたら」71号が到着です。

東武のSL列車は、この当時は2台の機関車(現在は3台)と2つの客車編成をいろいろ組み合わせて運転されるので、乗りに行くたびに違う機関車、違う客車編成に出会えます。
この日は、C11-207が青い客車を牽引してやって来ました。


「SLふたら大樹」が到着すると、それと入れ違いで「リバティけごん」が発車していきます。

SL列車とリバティのホーム停止位置はかなりズレて停まるのですが、リバティが発車していく一瞬に、SLとリバティがきれいに並ぶシーンを撮ることができます。
SL列車の先頭に立つ「C11-207」は、元々はJR北海道で動態保存車で活躍していた蒸気機関車です。

北海道時代の2灯のヘッドライトはそのままで、北の大地から東武鉄道にやって来ました。

書類上は、東武鉄道への売却ではなく、JR北海道から東武鉄道への貸し出し扱いになっています。
いつの日か、このC11-207は北海道へ帰る日が来るのでしょうか?
機関車の後位側もライトが2灯になっていますね。

機関車の次位には、国鉄時代に貨物列車の最後尾によく繋がれていた車掌車が連結されています。

東武鉄道のATS機器は、蒸気機関車ではなく、この車掌車に搭載されているので、SL列車運転の際には必ず蒸気機関車の次位にこの車掌車が連結されるようになっています。
この「ヨ8634」はJR貨物から譲渡された車掌車で、偶然にも「634」が東京スカイツリーの高さと同じ数字になっています。
客車は、国鉄時代からのファンにはお馴染みの14系。

「SL列車で窓が開かない14系?!」と思ってしまいますが、かつて日本中に溢れかえっていた14系客車も今や絶滅危惧種で、こうして乗ることができるだけでも貴重な存在です。
SL大樹の14系はJR四国とJR北海道から譲渡されたもので、乗降ドアが折り戸の0番台はJR四国から、引き戸の500番台はJR北海道からそれぞれ東武鉄道にやって来ました。
この日の編成の14系は、JR四国出身の折り戸の0番台でした。
3両編成の客車の真ん中には、側窓の一部と壁を撤去して展望スペースにした車両が連結されています。

この真ん中の車両は12系客車で、元々はJR四国の「ムーンライト高知」などで使われていた客車です。
JR四国時代にはボロボロの悲惨な外観を晒していたことでファンには有名な客車で、東武鉄道では部品取り用の車両として買い取ったのですが、ご覧のようにピカピカで美しい車両に生まれ変わって営業線上に復帰することになりました。
編成の最後尾に連結されるのは、補機のディーゼル機関車のDE10型機関車。

DE10型はJR東日本から2機が譲渡され、DE10-1099とDE10-1109の2機がSL補機として、また時には「DL大樹」として客車列車の先頭になって主役の座を務めることもあります。

DE10-1109はご覧のように驚きの「DD51北斗星色」に塗り替えられています。
全廃となったJR北海道の「DD51北斗星」の雄姿を東武鉄道が引き継いで、JR東日本のDE10を使って今に残すという、会社間を越えた素敵な「鉄道会社の繋がり」を実現させています。
黒いボディに「ふたら」の赤いヘッドマークが美しく映えますね。

しかもよく見ると、「ふたら」と「大樹」のダブルヘッドマークになっています。
「ふたら」の愛称は、日光二荒山神社(日光三山の男体山は古い名前を「二荒山」と言った)が由来になっています。
東武鉄道では、古い時代の日光線特急の愛称を日光の山や川などから名付けていたので、その伝統を受け継いでつけた名前なのでしょう。
下今市駅から来たSL列車ですが、東武日光駅には転車台がないため、このあと蒸気機関車はこの向きのままでDE10に牽引されて下今市駅まで戻ります。

運転区間は、東武日光発鬼怒川温泉行きの「SL大樹ふたら」なのですが、下今市までのDL牽引区間を「DL大樹ふたら」とはせず、通しでSL牽引の「SL大樹ふたら」としています。
(つづく)
- 関連記事
-
-
東武特急「スペーシア」の個室と「SL大樹」乗車記 その1 2022/07/09
-
東武特急「スペーシア」の個室と「SL大樹」乗車記 その2 2022/07/13
-
東武特急「スペーシア」の個室と「SL大樹」乗車記 その3 2022/07/16
-
東武特急「スペーシア」の個室と「SL大樹」乗車記 その4 2022/07/19
-
東武特急「スペーシア」の個室と「SL大樹」乗車記 その5 2022/07/23
-
東武特急「スペーシア」の個室と「SL大樹」乗車記 その6 2022/07/25
-
東武特急「スペーシア」の個室と「SL大樹」乗車記 その7 2022/07/29
-