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36ぷらす3に乗ってきました  Vol.3-「36ぷらす3」乗車記 博多→肥前浜



前回からのつづきです


車内の個室や設備などを軽くささっと撮り終えましたが、発車予定時間になっても「36ぷらす3」は博多駅を発車する様子がありません。

鹿児島本線の列車の遅れの影響で発車が数分遅れるとのことで、先頭車の写真も撮ることができました。
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車体は、まるで鏡面仕上げのようなテカテカっぷり。
車体に掲げられたエンブレムや描かれた無数のロゴマークなんかを撮ろうとすると、自分の姿がバッチリ映り込んでしまうので、非常に撮影しにくい電車です。
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「36ぷらす3」は、5分ほどの遅れで博多駅を発車。



今回乗車するのは、5号車のグリーン指定席。
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5号車と6号車のグリーン指定席は、800系新幹線の座席をリデザインしたものになっています。

熊本地震の時に脱線して廃車になった800系新幹線の座席を流用する案もあったようですが、結局、新品を装着することになったらしいです。


テーブルは、両面開きになる物が装備されています。
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ランチコースやディナーコースで、豪華なお弁当を広げて食べるのが前提の列車なのですが、ランチコースのお弁当を広げて食べている方の様子をちらっと見ると、テーブルのちょうどド真ん中のM字型にすっぽり空洞になる部分に物が置けないのがとても使いにくそうでした。

よくある、広げると長方形に展開されるインアーム収納テーブルのほうが使い勝手が断然良いと思うんですが、この座席だと長方形の折り畳みテーブルは収納できない設計なんでしょうか?


テーブルが収納されている側のアームレスト先端には、電源ポートが1席に付き1口用意されています。
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窓はご覧の通り、額縁のような木枠に障子が嵌め込まれています。
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787系の窓は、元から1列に対して1枚の小窓なんですが、ここに木枠を嵌め込んで、さらに障子を嵌め込んで・・・・
その障子を開けても、窓からの視界が半分しか得られないという、非常に理解に苦しむ作りになっています。

列車での旅の醍醐味は、やっぱり「窓から眺める、流れゆく車窓」が大きなウェイトを占めると思うんですけど、正直なところ「窓からの眺めなんて見る必要ないから」と言わんばかりのこの窓は、非常にがっかりでした。

水戸岡鋭治さんがリデザインした、富士急行の「富士山ビュー特急」も「あさぎり」号時代の大きな窓をスポイルするデザインに変えられてしまったし、同じJR九州の783系「ハウステンボス」号のグリーン車の前面展望窓もペイントがされて前方が見難くなってしまったし・・・・

近年の水戸岡さんのデザインには、単純に「大きく広い視界を、狭く見えにくくする」ものが多くて、何を狙ってのデザインなのかよく分からないものが多いです。




博多駅を発車して、じきに客室乗務員さんから一人一人に記念乗車証と旅のしおりが配られました。
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この2か月前の、9月に乗車したお友達さんによると、その時には乗車記念証は配られていなくて、この旅のしおりが乗車記念証の役割だったようなので、どうやら乗車記念証は10月ごろから配布が始まったみたいです。

「36ぷらす3」のシンボルマークの丸いシールは、これをマスクに貼ってくださいと言われました。
肥前浜駅の長時間停車中のエクスカーションで、「36ぷらす3」の乗客だと見分けるためのシールだそうです。
私は肥前浜で下車してしまうので、このシールはそのまま持って帰ってきました。




グリーン指定席では、1席に1冊、メニュー表が用意されています。
車内販売やビュッフェ販売品のメニューです。
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「787系にビュッフェ復活」が「36ぷらす3」のウリの一つでもあったので、特急「つばめ」のビュッフェを彷彿とさせる多彩な軽食メニューを期待していたんですが・・・・・

メニューを見ると、軽食の欄には「ミニうどん」と「黒いカレー」の2品しかない・・・・。




肥前浜駅までの2時間ほどの短い乗車なので、とりあえず「ビュッフェ」に向かいます。

発車直後のビュッフェはかなり混雑していますが、ランチコースの食事の配膳が始まると非常に空いています。
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カウンターの反対側(個室側)には、大きな冷蔵庫とコーヒーメーカーがあります。
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冷蔵庫の商品はセルフサービスで取り出し、カウンターのレジに持って行って精算します。
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九州島内各地の地酒やビールが多数取り揃えられているほか、阿蘇の水ミネラルウォーター、熊本茶、スコールなど九州で生産されているソフトドリンクもいろいろあります。


ドリンクの冷蔵庫の反対側は、カウンターテーブルにコーヒーサーバーとお土産品の展示。
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ホットコーヒーは、カウンターでお金を払って紙コップを貰い、このコーヒーサーバーで自分で淹れるセルフ方式。


お土産品は、九州のお菓子やおつまみ、黒酢やお茶など。
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ブレンドコーヒーのセットとキャンディは「36ぷらす3」オリジナル商品で、列車のイメージに合わせた包装デザインになっています。



「36ぷらす3」のオリジナルグッズ。
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一時期、JR九州では特急列車ごとに多彩なオリジナルグッズを車内販売していて、九州を訪れた際に特急に乗ってグッズを買うのも楽しみの一つでしたが、ほとんどの特急で車内販売が終了したのに伴って、グッズの種類も一気に減りました。

「36ぷらす3」では久々の新しい観光特急、しかもあの「787系」で「ビュッフェ」とあって、グッズもかつての特急「つばめ」の頃のようにものすごい種類がラインナップされるんじゃないかと勝手に期待してたんですが・・・

グッズの種類も少なくて、その上ひとつひとつがお高くて、ホイホイ大量に買えるお値段じゃないので、おかげさまであまりお金を使わなくて済みました。

ポストカードなんて、3枚で900円ですよ。


ちなみに、大川組子も車内販売してるらしいです。 1個30,000円。
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さて、軽食です。

博多駅で駅弁を買ってこなかったので、メニューのなかで一番ボリュームがありそうな「黒い鶏カレー」を注文。


予想以上に容器が小さい。 そして盛りが少ない・・・・
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カレー自体は美味しかったですが、あまりにも量が少ないので、まったく満足できません。

おそらく・・・というか、間違いなく、この列車は豪華なお弁当が付いてくる「ランチコース」「ディナーコース」を注文して乗る乗客がメインとなっていて、ビュッフェで提供する軽食も、そのコース料理を平らげた上で「ちょっと小腹が空いたね」という人をターゲットにしている品揃えと盛り付け量になっています。


グリーン指定席を買って乗車する乗客は、始発駅や乗車駅で、乗車前に駅弁や軽食を買っておかないと、特に長時間乗車になる木曜日の博多→鹿児島や、土曜日の宮崎→大分の場合は腹ペコで非常に辛い旅路になりそう。

「つばめ」の頃のビュッフェはホットメニューが10種類以上あって、それらを奥のギャレイで準備していましたが、「36ぷらす3」のビュッフェのギャレイは個室や座席に届けるコースの弁当を準備するスペースになっているため、「つばめ」の頃のようにホットメニューをたくさん積んで調理(=解凍してレンジでチン)する余裕が無いようです。


また、「つばめ」の頃のビュッフェは、注文したホットメニューをビュッフェ内で食べたりできましたが、「36ぷらす3」のビュッフェでは立食するようなスペースもなければ、そういう雰囲気でもないので、結果的に「36ぷらす3」のビュッフェは、「つばめのビュッフェ復活」とは謳ってはいるものの、「つばめのビュッフェ」とは全く別物の「物品販売カウンター」のようなスペースになっていると感じました。



というわけで、カレーはビュッフェのお隣の4号車マルチスペースで頂きました。
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ここも、個室や座席でコースの食事が提供されている時間帯はほぼ無人で、貸切状態でゆっくり食事できました。
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マルチスペースの真ん中にあるソファーコーナーは、なんだかお姫様の座るソファーのような雰囲気です。
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そのソファーの両脇にあるテーブルが、これまたすごいことになっていて、
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金ピカー!!!!!

なんか一歩間違うと下品な成金趣味に見えるんですが、「36ぷらす3」の車内にあると、ギリ豪華なインテリアとして見れます。

伊豆急の「ザ・ロイヤルエクスプレス」で使われた「電気鋳造パネル」を嵌め込んだテーブルなんですが、マルチスペースが混んでいる時ですらもテーブルとして使っている人はいなくて、記念撮影用の置物と化していました。


マルチスペースの一角にはカフェカウンターのようなスペースがあるんですが、この列車では常時この状態でした。
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カウンターの内部は車内提供の弁当を入れておくカートや番重が山積みになっていたので、どうやら単なる物置となっている模様。




「39」の形に絞められたしめ縄がありました。
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乗車記念の撮影用の小物のようです。
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4号車マルチスペースにも「隠れつばめ」がいます。 乗車時にぜひ探してみて下さい。
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カレーだけでは物足りないので、「五島手延べうどん」を注文したら、これまた予想以上に小さい!!
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うどんと一緒に買ったのは、「ぎょくとうハニーローザアイスクリーム

「黒い鶏カレー」と「手延べうどん」の軽食メニュー2種類を制覇しましたが、全く腹いっぱいになりませんでした・・・

ちなみに、グリーン車指定席に乗車している乗り慣れてるっぽい感じの乗客は、みんな博多駅の駅弁を食べてました。





列車は途中駅で何度も運転停車を繰り返しながら、佐賀駅に到着。

特急「かもめ」や「みどり」が博多-佐賀間を約40分で走り抜けるのに対して、「36ぷらす3」では約1時間20分かけて走ります。

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佐賀駅では約10分の停車。
乗降ドアが開き、乗客はホームに出ることができます。


佐賀駅のホームには恵比須様の像があります。
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佐賀市内だけで恵比須様の像が800体以上あり、その数日本一ということで、駅のホームにも恵比須様の像が作られたそう。

ホームでは、車内で配られた旅のしおりに記念スタンプを押したりできますが、マルシェや売店などの出店はありませんでした。


佐賀駅では「36ぷらす3」のあとを追いかけてきた、特急「ハウステンボス・みどり」に追い抜かれます。
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再び車内をぐるっと一巡して見て回ります。

4号車のマルチスペースカーにはライブラリーコーナーがあります。
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九州の旅や文化に関する本や水戸岡鋭治さんのデザイン本が置いてあり、車内で自由に読むことができます。



3号車のビュッフェは、特殊な設備の車両ということで、見どころやフォトジェニックなシーンが多いですね。
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この日は、個室や自席で寛ぐ人が多かったせいか、ビュッフェは人がいないことが多かったです。



1号車の個室車両は、個室利用者じゃなくても特に立ち入り制限は無く、客室乗務員さんも「空いている個室でしたら、どうぞご自由にお写真をどうぞ」と招き入れてくれる感じでした。

空いてた2番個室と3番個室を通路から写真を撮っていると、通り掛かった客室乗務員さんから「よかったら記念写真撮りましょうか?」と、個室のソファーに座るように勧められたので、お言葉に甘えて記念写真を撮ってもらい、個室内も詳しく見せてもらいました。

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1号車の個室は、最大定員の4人で乗ってもかなりゆったりした作りと広さになっています。
テーブルもかなり大きいです。


個室内には電源コンセントが2口ありましたが、ちょっと分かりにくいところにあるので、気づかない人も多いかも。
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6号車の運転席寄りには畳敷きのフリースペースがあり、ここに「36ぷらす3」の各コースの旅のしおりが展示されていました。
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表紙は共通のデザインで、曜日によってテーマカラーと車両のイラストが異なるので、ファンはぜひ全種類揃えてコレクションしたくなります。


ちなみに、5号車の客室内に飾られた小さな額縁のイラストは、水戸岡鋭治さんが描いた「36ぷらす3」のイラストです。
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車内で販売しているオリジナルグッズのポストカードセットは3枚入りなんですが、どうせなら5枚入りで5コース全ての旅のしおりのイラストをコンプする内容にして欲しかったですね。






自席で寛いでいると、かごを下げた客室乗務員さんが車内販売で回ってきました。

売っていたのはアイスクリーム。
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「ハニーローザアイス」は先ほど食べたので、「バニラアイス」を購入しました。
宮崎県高原町にある小野田ミルクファームが運営する「高原アイスクリーム研究所」のバニラアイスです。

口当たりがすごい濃厚なのに、のど越しがびっくりするくらい爽やかで、不思議な味のアイスクリームでした。




列車は肥前山口駅で運転停車。
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ここでも後から追い駆けてきた特急「かもめ」に先を譲り、佐世保線を上ってきた特急「ハウステンボス・みどり」との行き違いを同時に行います。



肥前山口まで来ると、肥前浜まではもうすぐ。

最後にビュッフェに行って、乗車記念グッズとお土産を購入しました。
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購入したのは、クリアファイルとポストカードセット、オリジナルブレンドコーヒー、キャンディ、コースター。
イラスト入りの旗は、このあと肥前浜駅で列車お見送りの際に頂いたものです。



肥前浜駅到着の直前に、客室乗務員さんがわざわざ私の席に来て、乗車のお礼のあいさつをしてくれました。
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「ご乗車ありがとうございました。短い時間でしたが、今度また是非長崎までのご乗車でお待ちしております」と、乗車記念にキャンディをプレゼント。


途中駅で降りる私のところにわざわざ来て、下車のグリーティングまでしてくれるとは驚きでした。






つづく

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どんちっち

久しぶりの旅レポート、楽しく拝見しました。
私もこのような水戸岡デザイン、とくに近年の窓の存在を無視したような作りはきらいです。なにか間違った方向へ進んでいるような感じですね。
JR東海のワイドビュー万歳ですわ。

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17:19

京九快速

どんちっちさん こんにちは。
コメントありがとうございます。

1年以上ぶりの飛行機に乗って遠くへの旅行でした。
日帰りだったので慌ただしい旅でしたが、楽しかったです。

「36ぷらす3」の障子が嵌め込まれた窓は、外の景色がとても見難かったです。
縦長の小窓に障子を付ける理由が全く分かりませんでした。
障子が閉まっている時は、車内全体が和室のような特別な雰囲気になって、和洋折衷の高級旅館みたいな趣があるんですが、実用性は「?」というのが感想でした。

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18

10:45

タムタム

京都タンゴ鉄道の「丹後の海」も同じく窓に枠はめて、しかも全面展望が売りの最前列の窓にさえ装飾施してました。列車をなんだと思ってるのか腹立ってきました。
最近の九州の観光列車見ると乗った時のインパクトはあるけどシートなどの乗り心地はどうでもいい、という感じですかね。在来線の定期特急は座席のメンテが追い付かずボロボロだし。定期特急にこそ力入れてほしいと思うのですが。近鉄の「ひのとり」のように。

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31

21:08

京九快速

タムタムさん こんにちは
コメントありがとうございます。

「丹後の海」も展望スペースの窓に組子風のペイントを入れたり、2列大窓なのを小窓にしたり、元々の眺望の良さを無くしてしまう手の入れ方はとても勿体ないように感じます。
あのすだれ風のブラインドを付けるために窓に木枠を嵌め込んでいるのだと思うのですが、あの木枠は窓側席に座ってるとかなり圧迫感があるし、肘掛けに干渉するので、正直なところ利点が全く無いように思いました(富士山ビュー特急での感想)

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02

10:23

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ちょいちょいアップします。

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