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(約30年前のネガフィルムをデジタルサルベージした画像で、当時の模様をお伝えするレポートです。
一部の画像はフィルムの劣化や退色などでかなり見難いことをご了承ください。)
1990年代には、上野駅を発着するブルートレインがまだ数多く運転されていました。
それらのブルートレインで24系で運転される列車は、編成中の電源車が東京方に位置するように統一されていました。
しかし、上野駅で乗降・乗り換えする旅客の導線は東京方に集中しており、地平ホームに発着する24系ブルートレインの電源車から発生する排気や騒音が旅客の導線上に掛かるようになって、苦情の原因となっていました。
そこで、JR東日本では上野発着の24系ブルートレインの編成を方向転換して、電源車の位置を東京方から青森方へ持ってくることにしました。
まず、1990年9月に「あけぼの」「出羽」などの24系の編成を方向転換。
そして1991年3月に「北斗星」3往復の24系の方向転換が行われました。
上野に到着した北斗星編成は、上野-我孫子-北小金-南流山-馬橋-上野のルートで移動。
常磐線~武蔵野貨物短絡線~常磐線のデルタ線構造を利用して、電源車の入れ替えなどを行わずに編成ごと方向転換を行いました。
この時、我孫子と南流山での機関車付け替えを省略するために、上野に到着したブルートレイン編成の青森方に機関車を連結した「プッシュプル」で運転されたのですが、何度かEF58型機関車の89号機が登板しました。
写真は1991年3月16日に行われた、北斗星編成の方向転換を我孫子駅で撮影したものです。

かつては多くのEF58がブルートレインの牽引を担当していましたが、この頃はすでにEF58自体が「動態保存機」のような存在でイベント列車の牽引が主な役割だったので、営業運転に入っているブルートレインのフル編成、しかも「北斗星」の編成をEF58-89が牽引することは非常に珍しい出来事でした。
EF58-89は、上野から我孫子まで北斗星編成の先頭に立って、日中の常磐線を堂々と走行。

このあと、南流山まで最後尾に就き、南流山から上野まで再び常磐線内をブルトレの先頭に立って走りました。
EF58-89と反対側に連結された機関車は、EF81-88北斗星色の機関車。

この日の朝、青森から上野まで「北斗星」を牽引してきた機関車です。
普段なら上野到着後はすぐに田端機関区に入庫して終業のところを、この日は北斗星編成に付き合って「残業」って感じでしょうか。
取手の北に交直切り替えセクションがある関係で、常磐線では直流型電気機関車のネタ釜が走ることは少ないのですが、我孫子までEF58が北斗星のフル編成を牽引して走ったこの日は、大興奮の一日でした。

(当時、北斗星は3往復が定期運転されていましたので、この北斗星方向転換は3日間行われました。
同日に下り北斗星で札幌に到着した編成は、札幌近郊で同じように編成の方向転換が行われています)
(おしまい)
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