lounge SRG 見た目は大人、中身は子供!
(約20年前のネガフィルムをデジタルサルベージした画像で、当時の模様をお伝えする旅行記です。
一部の画像はフィルムの劣化や退色などでかなり見難いことをご了承ください。)
2002年9月に寝台特急「はくつる」号に乗車した時の乗車記です。
当時は、約3か月後に東北新幹線八戸延伸が目前に迫っていました。
八戸行きの新幹線の新愛称は「はやて」に決まり、開業フィーバーが徐々に盛り上がりつつありました。

寝台特急「はくつる」は、東北新幹線八戸開業で廃止が決まっていましたが、廃止日まであとまだ3か月あるということで、寝台券の確保は余裕でした。
もっとも、この頃は日本にまだ複数のブルートレインが残っていたし、寝台券などを転売するツールなどもほとんど無かったのが、ブルトレ末期の異常なフィーバーぶりに比べると平和だった理由かもしれません。
寝台特急「はくつる」号の上野発車時刻は22時23分。

3分前に発車した快速「ラビット」のあとを追い駆けていくダイヤですね。
寝台特急「あけぼの」号の発車時刻が近づいていたので、ついでに撮影しておきました。

「あけぼの」号の電源車カニ24は、ご覧の通りボロボロ・・・

「あけぼの」号が発車していくと、同じ15番線ホームに「はくつる」号が推進回送で入線してきます。

583系時代のイラストヘッドマークをそのまま引き継いだトレインマーク。

先頭に立つのはEF81型機関車の137号機。

前面窓の上部につらら切りのひさしが付いていて、一般的なEF81型機関車に比べると精悍な顔つきです。
東北本線のみを経由して青森まで走る夜行列車は、最盛期には数多く走っていましたが、この「はくつる」が最後となりました。

24系客車で組成されている「はくつる」号ですが、「あさかぜ」で使用されていた金帯車に、初期の白帯車に、とにかく「余った客車の寄せ集め」感がすごい。

B寝台が指定席として利用できる「ゴロンとシート」も連結されていました。

今回乗るのは、こちらの車輌。 A寝台個室「シングルデラックス」です。

客車の外観は、「A寝台個室」という豪華さを感じる響きからは程遠いボロボロな荒れ様・・・・

元々は、東海道の寝台特急「あさかぜ」で使われていた車両です。
デッキから客室ゾーンに入るには、この扉を開けて中に進みます。

A個室寝台車の廊下。

「あさかぜ」時代に多少のリノベーションはされているんじゃないかと思いますが、「北斗星」なんかの改造A個室車両に比べると、全く飾り気がなくて寒々とした雰囲気です。
このタイプの「シングルデラックス」は、多種多様な寝台個室が登場した頃には鉄道ファンから「独房」などと揶揄されていましたが、部屋に入る前から「独房」感が漂っています。
個室の扉を開けると、室内はこのような空間になっています。

いやはや、今見ても「狭い!」ですね。(様々な個室車両が生まれて消えていった今だからこそ、かも)
モケットの張替えやカーテンの交換で、ちょっとだけ「リニューアルしました」感が伝わってきます。
この当時、同じく上野発の青森行き「あけぼの」と、金沢行き「北陸」にもA個室「シングルデラックス」が連結されていました。
しかし、「あけぼの」「北陸」のそれはJR化後に改造されて誕生した個室車で、「はくつる」のこの個室よりも広くて、室内の広さも設備にも余裕がありました。
(↓寝台特急「あけぼの」のシングルデラックス)

(↓寝台特急「北陸」のシングルデラックス)

こうして比べて見ると、「はくつる」に連結されていた「シングルデラックス」の古さとボロさが際立って目立ちます。
しかし、「シングルデラックス」の寝台個室料金は、「あけぼの」も「北陸」も「はくつる」も同じだったので、「はくつる」の「シングルデラックス」は完全に「乗り損」な部類でした。
上野駅を定刻に発車。 鶯谷駅のホームの明かりがゆっくり遠ざかっていきます。

車内放送では、上野発車後の放送をもって「おやすみ放送」となり、翌朝まで車内放送はない旨の案内が流れました。
夜食に上野駅で買ってきたのは、懐かしの・・・というか発売されて光の速さで消えていった幻の駅弁「オーベントー」。

大宮駅に到着。

ホームに入線する時の様子を見ていると、「はくつる」号の到着を待っていた人はほとんどいなくて、列に並んでいるのは後続の宇都宮線の普通電車を待っている人ばかりでした。
この時の寝台券です。 購入日付を見ると、なんと当日購入で乗車してたみたいです。

(つづく)
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京九快速
前の名前忘れましたさん こんにちは
コメントありがとうございます。
この旅行記は約20年前のもので「はくつる」号の廃止が迫った頃ですが、まだまだブルートレインは日本各地でいっぱい走っていました。
その中でも「はくつる」は古い車両をそのまま使い倒していたので、JR化後のリニューアルが進んだ他のブルトレに比べると存在感がひときわ薄かったように感じます。
(個人的には「はくつる」というと、いまだに583系のイメージが強いです)
JR化後に次々に登場した新型車両も、今は置き換えの対象になってきていますね。まだまだ最新鋭と思っていた車両が老朽化で廃車とか、にわかに信じられない状況に自分も歳を取ったのだなぁと思わずにはいられない今日この頃です。
自分の書いた旅行記やブログ記事をあとで読み返すことはほとんどないのですが、今回、前の名前忘れましたさんのコメントを拝見してカシオペア乗車記を読み返してみましたが、自分でもびっくりするくらい遠慮なく書いていますね(汗
あと、文中の妙にハイテンションな部分が恥ずかしいです(滝汗
この旅行記の続き、そして古い写真の昔の旅行記もボチボチアップしていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
05
04
10:31
タムタム
この頃のJRの寝台特急に対する扱いのひどさが露骨に出てますね。廃止前とはいえ優等列車なんですからこのボロボロ状態はいけませんね。
昨今の豪華クルーズトレインはどこか浮き足立ってるというか一般常識とはかけ離れてるような気がします。多くの人が求めてるのは適正価格の快適な夜行列車じゃないでしょうか。寝台でも座席でもいいですが、快適に移動できる列車。先日、夜行バスに乗った時3列独立シートでもやはり狭いなあと思いました。この分野をJRがもし本気で取り組んだら相当需要を取り込めると思うんですけどね。いろいろ難しい問題はありますけど。
05
04
22:15
京九快速
タムタムさん こんにちは
コメントありがとうございます。
この時の「はくつる」号の車体のあまりの酷さには驚きましたが、かといって全車両がそうではなくて、白帯の車両は意外にもピカピカだったり、車両ごとにけっこう差がありました。
もっとも、この時「はくつる」はもうあと数か月で廃止。その車両も転用の予定はなかったでしょうから、JRもそれを見越してボロボロのまま走らせていたんでしょうね。
利用者から見ると「こんなボロボロで大丈夫なんだろうか」と車両の安全性にも不安を覚えてしまいますよね。
四季島などのクルーズ列車は言うまでもなく、時々走るカシオペアの東日本周遊列車でも、一般庶民にはちょっと手が出る金額ではないですよね。
「北斗星」くらいの金額と個室の多様さを持った列車が今でも走っていてくれたらとよく思います。
05
05
12:06
前の名前忘れました
すいません、要望なのですが2001年北海道の旅が文字が表示されなく読めません。貴重な旅行記と思い出だと思うので改善お願いいたします。あと民鉄の車両の座席解説も文字が。。ただこのソニックレールガーデンのサイトは本に出来るくらいの解説と写真本当に凄すぎます。中立的なのがいいです。
05
06
22:16
京九快速
前の名前忘れましたさん こんにちは
コメントありがとうございます。
ご指摘の旅行記と座席探訪のページですが、こちらで確認した限りでは文字は表示されていて読むことができるようです。
ブラウザは、エッジ、インターネットエクスプローラー、クロームとiPhoneのサファリで確認できました。
念の為、2001年の北海道旅行のページは再度サーバーにアップロードをしましたのでご確認頂けますでしょうか。
これ以上の原因の解析と対応は、こちらではちょっと難しいのでご了承ください。
05
07
14:48
前の名前忘れました
買ったばかりのスマホでは文字は表示され、初代の古いiPad miniでは表示されませんでした。わざわざご対応いただきありがとうございました。
05
07
21:16
前の名前忘れました
A寝台車両の塗装ボロボロなんて今の時代は許さない客がいるんじゃないでしょうか??とは言ってもこの頃はもう21世紀に入ってますので少し昔程度のエピソードですね。
約20年前でも何故か懐かしさが半端ないです。
やはりこの頃はE2系、E3系、500系、700系新幹線。そして北海道と東日本のスーパー特急郡と英語名になったサンダーバードやオーシャンアローなどの現在の新世代車両より高性能でスピードに特化したJR初期型車両がトップに立ち、更に国鉄の名車達も現役でした。夜行快速ムーンライト列車から本物のトワイライトエクスプレスまで選択肢がたくさんあり、JR各社に勢いがあった時代は楽しかったです。
京急快速さんに感謝しているのが、ある意味隠された真実!?を各鉄道会社に配慮せず正直に伝えていることです。
私はソニックレールガーデンのレポートを読むまではカシオペアとトワイライトエクスプレスなら前者の方が圧倒的に良いと思っていましたが、現実は逆だったのですね。。
北海道と関西を結ぶ本物のトワイライトエクスプレスに乗りたかった!!
今回の旅行記続きが楽しみです。
05
03
21:39