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【1994年6月】485系お座敷電車「宴」展示会


(約25年前のネガフィルムをデジタルサルベージした画像で、当時の模様をお伝えするレポートです。
 一部の画像はフィルムの劣化や退色などでかなり見難いことをご了承ください。)



当時、JR東日本の首都圏エリアで団体用として活躍していたお座敷列車は「江戸」「なごやか」の2編成がありましたが、この頃は団体貸切列車の需要が非常に高く、それらの2編成では大口団体予約を賄いきれないほど予約状況が逼迫した状況でした。
(実際に、この頃「鉄道ダイヤ情報」などで公開されていたジョイフルトレイン運転ダイヤを見ると、車両基地で休んでいる暇がないほどほぼ連日のように運転日が設定されていました。)

また、「江戸」「なごやか」は古い客車を国鉄末期に改造したもので、そう遠くない将来に老朽化による引退も視野に入っている状態でした。

そこで、お座敷列車の高需要に応えるべく、そして引退していくお座敷客車をスムーズに代替していくために、電車方式による「お座敷車両」が開発されました。

その第一弾となったのが、「宴(うたげ)」です。

デビュー運転開始の数日前に、品川駅でそのお座敷電車「宴」をお披露目する展示会が開かれました。
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紫のカラーリングに金色の帯が入った、いかにも「特別な電車」というイメージのカラーリング。
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これまでの列車では見たことのないカラーリングもそうですが、寝台客車のように深く高い屋根、重心が高く感じる位置にある窓、無表情で鉄仮面のような顔つきなど、この当時はかなり斬新な外観でした。

下回りの走行機器や制御機器は485系からの流用で、交直電化区間ならどこへでも走っていける機動性を持っています。
上周りの車体は完全新製なので、「改造」による制約を受けずにイチから自由な車内空間を創造することができました。
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その「自由な創造」から生まれたのが、屋根と床を高くして車高を上げ、お座敷を「掘りごたつ」式にして、椅子に座るような姿勢でお座敷列車の旅が楽しめるという新しい和風スタイルの客室が実現しました。

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先頭車は屋根から前面窓に降りてくる流線形の形状が美しいです。
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屋根からそのまま先頭部が突き出た流線形になるのが一般的な形状になるところを、内側へ逆傾斜させた、クリフカットデザインになっているのが特徴的。

ただ、この形状は運転席の前面窓への映り込みや光の反射などで運転士さんには運転しにくいという一面があったらしく、この後に登場する「華」「なのはな」「せせらぎ」などでは、この斬新な逆傾斜デザインは採用されることはありませんでした。

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さきほどから写真の中にちらちら「サロンエクスプレス東京」が写っていますが、この展示会では「宴」を主役に据えて、「サロンエクスプレス東京」を「新旧ジョイフルトレイン」「和風と洋風」を比較用にという意味でなのか、同時に展示・公開されていました。
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この日は脇役であるはずの「サロンエクスプレス東京」ですが、牽引機にロイヤルエンジンのEF58-61が連結されて据え付けられていたので、この展示会に来ていたファンの視線とカメラを向ける先はEF58-61に集中してしまい、完全に主役の「宴」を喰ってしまっている感じでした。

そんな私も、この日撮影したフィルムを見ると、コマ数は圧倒的に「宴」よりもEF58-61のほうが多かったです。

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「サロンエクスプレス東京」の展望サロンに人影が写っていますが、「サロンエクスプレス東京」は休憩列車として一部の車両が開放されていました。

私も車内に入ってみましたが、どこも人がいっぱいで、展望サロンのソファーに座ってみたり、コンパートメントの写真を撮ったりできず、車内で唯一撮っておいたのが、この「ブルーリボン賞受賞プレート」だけでした。
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「宴」の車内も一般公開されていて、新しいお座敷電車の設備を体感してみてのアンケートが配られていました。
そのアンケートに回答すると、「宴」の絵柄のしおりがもらえました。
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そのアンケートと一緒に配布されていたパンフレット。
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このパンフレットは、展示会以外でも、首都圏とその周辺エリアのかなり広い範囲の駅で大量に配布されていました。
団体専用のお座敷電車の新車告知パンフレットがこれほど大量に広域で配布されるのは非常に珍しいことで、それだけ当時のJR東日本はこの「宴」を売り込みたかったのでしょうね。



おまけ。「サロンエクスプレス東京」の車内はこんな感じでした。
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(画像はJR東日本発行のジョイフルトレインカタログより)



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