lounge SRG 見た目は大人、中身は子供!
(前回からのつづきです)
伊豆急下田駅を発車した「サフィール踊り子」2号。
しばらく後ろ展望最前列からの車窓を楽しみます。

平日のこの日、午後遅くに伊豆に着く「踊り子」号は少ないのですが、途中駅で185系の「踊り子」号との行き違いも見られました。
見慣れた緑の3本ストライプの特急も、もうまもなく見納めになりそうです。
帰りの列車でもヌードルを予約しておきました。
予約時間が近くなったので、席を離れて4号車のカフェテリアカーへ。
2号車と3号車のグリーン個室。

下りの1号では個室も満室でしたが、この2号では4人個室・6人個室とも空室のほうが多かったです。

カフェテリアカーの厨房です。

奥の紺碧色の壁にある棚に並んでいるカップは、個室デリバリー専用のヌードルカップです。
個室利用でヌードルを注文すると、この専用カップにヌードルが盛り付けられて、部屋までデリバリーされます。
この回のカフェテリア予約も、カウンター2名、各ボックス席2名の合計6名で満席となっていました。

5号車側の入り口には、アルコール消毒液が用意されていました。

今回は下田で合流して一緒に2号に乗った友人とカフェテリアの予約時間を合わせておいたのですが、予約はそれぞれで別個に「サフィールペイ」から予約を入れていました。
友人が「サフィールペイ」の問い合わせ欄から「1号車1B席の予約は友人なので、一緒にボックス席利用を希望したい」というリクエストを出してくれたところ、乗車当日にカフェテリアの運営会社から「ボックス席で手配いたします」という返信がきたそうで、ボックス席を利用することができました。

ドリンクは「だいだいサイダー」をチョイス。

同行の友人は「反射炉ビール」。

ヌードルが運ばれてきました。

ヌードルとさざえのおにぎりのセットです。


さざえのおにぎりは、行きに食べたシュウマイに比べるとかなりボリューミーな大きさ。

ヌードルとセットで食べると、成人男性でも(満腹にはなりませんが)満足のいく量を食べたという気になれます。
カフェテリアカーにも天窓がありますが、天窓からの開放感はグリーン席車両以上のものがあります。

カフェテリアの利用時間は1回で20分。
ですが、ほとんどの利用者は食べ終えるとすぐに自席に戻って行き、最後まで残っていたのは我々2人だけでした。

カフェテリアカーのスタッフのサービス力は、スーパービュー踊り子のアテンダントさん以上の力量があると感じられました。
最初の受付から、席へのエスコート。ヌードルの配膳や食べ終わった食器下げも非常に丁寧な接客で、ガッカリ接客の多いJR東日本のイベント列車と比べても、群を抜いて素晴らしかったです。
さりげなく利用者に声をかけて記念写真を撮ってあげるシーンなどは、こちらがちょっと驚いたほどです。
定期特急列車のこのカフェテリアカーが、クルーの接客力で「小さなクルーズトレイン」のような感動を発信できる場になっていることに嬉しくなりました。
カフェテリアから自席に戻って、プレミアムグリーン席で後展望からの車窓を楽しみます。



車内販売担当のクルーが来ました。
プレミアムグリーン席では、車内販売はカートでの販売ではなく、オーダーを取って回って、後で商品を各席に届けるというスタイルのようです。

おみやげ用にマドレーヌを注文すると、あとで紙袋に入れて持ってきてくれました。
(紙袋は、カフェテリアで注文したマドレーヌを持ち帰り用に入れてくれるのと同じ、無地の紙袋でした)
茅ヶ崎あたりで見かけた215系電車。

この電車も、東海道線の湘南ライナーが廃止される2021年春以降はどうなるんでしょうね。
横浜到着寸前で並走の相模鉄道のネイビーブルーの電車。

初めてネイビーブルーに塗り替えられた電車を見ましたが、真っ黒に近いくらいの濃い色に驚きでした。
「サフィール踊り子」2号は、いよいよ東京駅に到着です。

下車する前に、伊豆急下田から乗った自席を撮影。

結局、下田から東京までずっと座席を後ろ向きにしたままで、後展望最前列を楽しみました。
最後にプレミアムグリーン席の全景写真を撮って、電車を降りました。

こうして見ると、目を赤く光らせた宇宙人みたいな顔・・・・

「回送」の表示も洒落てますね。



上野方向へ回送列車で発車していくところを見送って、今回の「サフィール踊り子」乗車の旅は終了です。
ちなみに、
「サフィール踊り子」の車内販売では「乗車記念グッズ」のようなものは一切用意されていませんが、東京駅9番10番ホームにあるコンビニ「ニューデイズ」では、踊り子号グッズが豊富に取り揃えられています。(2020年11月現在)


「乗車記念のグッズが何か欲しい」という方は、ここのニューデイズに寄って、買い求めてみてはいかがでしょう?
(ここから下は、筆者の勝手な希望や論調めいた批評・感想になります。
個人ブログにそういったものを求めていない、素人考えを読んで気分を害したくないという方は、今回の旅行記はここまでになります)
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今回、「サフィール踊り子」に乗車してみての感想は、
「ハードは完璧、ソフトはいまいち」
という印象があちこちで感じられました。
各種の設備について率直に思った感想を箇条書きにしてみました。
【グリーン席】
・客室内の雰囲気は、天井が高くて、また天窓から差し込む自然光の効果もあってかなり明るくて開放的。
(ただし、天窓の効果は晴れた日中の走行時に限られる感じで、天候のよくない日や夜間の乗車時はまた別かも)
・座席の柄や床のカーペット、通路のフローリング模様、木目調の天井とも相まって、客室の雰囲気は乗車した瞬間からリゾート感に包まれるよう。
・座席そのものはE5系やH5系と同等の規格品だが、元の作りが非常に良いためか、この「サフィール踊り子」で乗っても座り心地は非常に良い。
・かなり倒れるリクライニングや電動のレッグレスト、大きめのテーブル、横3列配席など、上級クラスらしい座席に感じられる。
・海側が全て2人掛け席になっていて、「お一人様旅行」での乗車だと山側C席のチョイスしかないのが寂しい。
(4両あるうちの1両を、海側1人掛け/山側2人掛けにしてくれてもよかったのになぁ)
【プレミアムグリーン席】
・客室内はブラック基調で全体的に暗い。
明るく開放的な雰囲気のあるグリーン席とは好みが分かれそうで、こちらは万人受けはしなさそう。
・座席はカーボン風のシェルに包まれていて、見た目にも上級クラスの座席という雰囲気が感じられる。
・座席に腰掛けた時に、上半身左右に感じられる余裕は「さすが上級クラス席」と感じさせる。
・頭の左右に張り出すシェルが個室感を高めている反面、横並びで座る同乗者とのコミュケーションが取りにくい。
結果的にプライバシー感を高めた「一人乗り」を推奨したいのか、カップルや親しい友人との「二人乗り」を推奨したいのか、よく分からない作りになっている。
・床面がグリーン席よりも高床になっているのに、側窓の位置と高さほぼが同じため、相対的に窓がとても狭く小さく感じる。
・リクライニングやレッグレストは、正直なところグリーン席とさほど差を感じない。
結局のところ、「プレミアムグリーン席にしかない、深い座り心地」というものは無い。
・前の座席との間隔があまり無いため、レッグレストを出した時の足元の狭さは「プレミアム」とは思えないほど。
・45度ずつの固定が可能な座席回転も、向きによっては向かい合う相手と足元が交差・干渉しあってしまい、気まずそう。
・そもそも座席回転レバーの位置が、座席回転をしずらくしている。
・足元の狭さ以外にも、細かな部分で「設計ミスか?」と感じさせる点が多い。
空間と座席全てを含めて、全体的に「これモックアップを作ってちゃんと検証してんの?」と思われる部分が多すぎる。
【グリーン個室】
(実際に個室の乗車を体験していないので、見た目だけでの感想ですが・・・)
・室内の広さと調度品の雰囲気は非常に素晴らしい。
「サフィール踊り子」を開発する上で最も時間をかけて作りこんだと思わせるモノになっている。
・カフェテリアからのデリバリーを個室内で楽しむという、「車内サービスの流れ」をしっかり汲んだ作り・ギミックが素晴らしい。
・「プレミアムグリーン」がガッカリ感ハンパない分、ある程度の人数が集まって乗るなら、プレミアムグリーンを試し乗りするより個室に乗ったほうが絶対に良い。
【そのほか気になった部分】
・1~3号車(川崎重工製)のデッキ乗降ドアから吹き込む隙間風の騒音が大きい。
4~8号車(日立製作所製)のデッキは隙間風の音はほとんどしない。
(川重製と日立製では、乗降ドアの密着・密閉の仕上げに差がある?)
・男性用トイレが使用後になかなか流れない(というか全然流れない)。
センサーで人が便器から離れると自動で水が流れるはずが全く反応しない。
トイレに入った時点で、前の利用者が足した小用がそのまま残っている状態だった。
往復の乗車で、2号車・5号車・7号車の男性用トイレを使用したが、いずれも同じ状態であった。
(いずれも2020年9月にE261系RS2編成に乗車した時の模様。現在は修繕されているかもしれません)
【スーパービュー踊り子(SVO)とサフィール踊り子(SPO)を比べて】
・SVOのグリーン車は2階建ての2階席だったのに比べて、SPOのグリーン車は高い天井と天窓でまた別の価値観が創造できていて、両者の比較は単純にはできない。
・SVOの「サロン室」がSPOでは廃されたが、SPOでは本格的な供食設備(カフェテリア)が組み込まれた点からも、SVOの「サロン」は「座席そのもののレベルアップ」と「カフェテリア併設」の2つの道へと発展的解消を遂げたと解釈できると思う。
(個人的には「サロン室」ほどの設備ではないにしても、グリーン席の乗客向けにちょっとしたフリースペースを編成内に作るぐらいの「JR東日本の太っ腹」なところを見せて欲しかったかなと)
・SPOの8号車運転席直後にある中途半端な作りの展望席は、SVOの展望席を知っている身からすると非常にがっかり。
・SVOのアテンダントさんは個人スキルで接客レベルにかなりの差があった(ホテルレベルの人もいれば、学生バイト並みの人もいた)のに対して、SPOのサービスクルーは全員が非常に接客レベルが高いと感じられた。
新幹線のグランクラスでも「はぁ?」みたいな接客レベルのアテンダントがいる中で、「サフィール踊り子」のクルーサービスはどのシーンにおいても非常に気持ち良く感じられ、この点でも「また乗ってサービスを受けてみたい」と思わせてくれるほどだった。
「サフィール踊り子」は「スーパービュー踊り子」同様に、首都圏のほかの特急よりも割高な特別な特急料金が設定されています。
利用者目線で考えると、「払った料金分の設備・サービスが享受できるか=コスパは良いか」という点が非常に大きいと思いますが、「サフィール踊り子」のグリーン席は料金に見合ったゆとりと快適を体感できる一方、鳴り物入りで登場したプレミアムグリーン席はさらに料金が高い分、乗る前の期待値が非常に高くなるのですが、乗った時のガッカリ感がハンパなく、目的地に着いて下車する時の「なんか残念な感じ」というモヤモヤ感が心に残ります。
【シートサービスが全くない点について】
「サフィール踊り子」では、プレミアムグリーン車・グリーン車ともにおしぼりやドリンクのサービスが一切無くなりました。
JR東日本に限らず、全国的に車内販売やグリーン車サービスなどの「人件費」が掛かってくるものはどんどん省略していく傾向が当たり前になっています。
しかし、「サフィール踊り子」ではわざわざ「カフェテリアカー」を連結して、人件費のかかる食堂車サービスを行っています。
この点からも、JR東日本の中でも「この特急は自社内の列車の中でも特別なもの」という意識の元で運行しているのではないかと思います。
スーパービュー踊り子ではグリーン車で、アテンダントによるおしぼりやドリンクサービスを行っていました。
アテンダントさんが車掌の検礼業務を兼務していた(乗車時の指定券チェック)という特殊事情もありますが、乗客にしてみれば車内でおしぼりやドリンクの提供を受けることができる「特別なリゾート特急」という印象が強かったと思います。
「サフィール踊り子」ではアテンダントによる検礼業務は無くなり、カフェテリアサービスや車内販売の担当専任となっています。
また、「サフィール踊り子」ではグリーン車が編成中4両を占める“レギュラークラス”となったため、グリーン車全席へのおしぼりやドリンクサービスを行うのは難しいというのは理解できます。
しかし、1列車に20席しかないハイクラス、しかもかなりの高額料金を徴収している「プレミアムグリーン席」でシートサービスが一切省略されている点は解せません。
JR東日本では、新幹線のファーストクラス「グランクラス」で短距離列車や各駅停車タイプ列車を対象に「シートのみ営業(アテンダントサービスなし)」を行っています。
本数が多い新幹線に対して、「サフィール踊り子」は多くて一日2往復。
「スーパービュー踊り子」が、最盛期の多客時には朝から晩まで5~7往復も走っていた時に比べれば、かなりサービス対象列車が限定された本数になりました。
「サフィール踊り子」の運行上で特徴的なのが、全列車が横浜~熱海間の約1時間がノンストップ・停車駅無しというダイヤを組んでいる点です。
この横浜~熱海間の1時間ノンストップは、サービスを行う上でかなり大きいと思います。
この間、誰も乗り降りしない。
つまり、この横浜~熱海間でアテンダントの誰かしら1人が「プレミアムグリーン席」のわずか20席におしぼりとドリンクサービスを行えば、それだけでこの「プレミアムグリーン席」の付加価値は、運営会社が思っている以上に高いものになります。
「サフィール踊り子」に乗務しているアテンダントさんの様子を見ていると、大多数がカフェテリアでの接客と調理補助専任、1人が車内販売担当、1人が個室へのデリバリー担当(+カフェテリア補助)というチームを組んでいるように見えました。
(実際どのような担当編成になっているかはわかりません。あくまでも車内のあちこちで動いている人を見かけた上でそうなっていると考えました)
わざわざシートサービス専任者を設ける必要はありません。
車内販売担当のアテンダントさんが、下りは横浜後に(上りは熱海後に)プレミアムグリーン車に車内販売で回った際に、ついでにシートサービスすれば大した手間ではないはずです。
サービスするドリンクは「スーパービュー踊り子」の時のように、メニューからドリンクを選んでもらって、それを紙コップに注いで・・・なんてことまでする必要はないでしょう。
「サフィール踊り子」のロゴがラベルに入った200ml~280mlの小さなペットボトルのミネラルウォーターを渡すだけで充分なサービスになります。
乗客からすれば、もらったドリンクに「サフィール踊り子」のロゴが入っていれば、それだけでプレミアム感があって嬉しく、また充分満足するものです。
また、かつてJR九州のグリーン席・デラックスグリーン席のサービスにあったような、小さな焼き菓子やキャンディも手渡しすれば、乗客が感じる満足度はかなり高くなるはずです。
日持ちする焼き菓子や、保存期間の長いキャンディであれば、JR東日本のような大会社(の子会社)がうまく管理すれば大したコスト増にはならないと思います。
ワゴンサービスのついでであれば、わざわざシートサービスのために特別な時間を割く必要もありません。
「プレミアムグリーン」の20席が満席だとしても、おしぼりとミニボトルと小菓子を乗客一人一人にあいさつしながら笑顔で渡しても、1人1分も掛からないはずです。
この時にもし、カフェテリアカーに行っていた、たまたまトイレに立っていて離席していた、という乗客がいれば、カフェテリアカーで使用している持ち帰り用の小さな紙袋にこれらのサービス品を入れて座席に置いておけばいいでしょう。
どの座席に乗客がいて、どの席が空席なのかは、一緒に乗務する車掌さんから事前に情報は得ておけば、サービス漏れはほぼ防げるのではないでしょうか。
1時間無停車の間に行うサービスなのだから、「途中駅で乗ったらシートサービスを受けられなかった」「シートサービスが来る前に下車駅に着いてしまった」というクレームはほぼ発生し得ません。
しかも、列車の性格から言って乗客のほとんどは熱海・伊東・伊豆志向なのは間違いありません。
上下列車ともこの区間に、この列車のメインともいうべき乗客が乗っているのであれば、この区間でシートサービスを完結させてしまえば「サフィール踊り子」の目玉サービスとしてほぼ100%成り立つものです。
横浜~熱海間に掛からない区間乗車の乗客や伊豆急行線内だけの乗客については、あらかじめ「シートサービスは横浜~熱海間で行います」と謳っておけばいいでしょう。
「スーパービュー踊り子」でも基本的に横浜~熱海間が無停車という列車がほとんどでしたが、一部は小田原や湯河原にも停まる列車がありました。
でも、そうした列車の途中駅から乗車してきたグリーン車の乗客にも、伊豆急行線内だけの乗車でもちゃんとシートサービスが行われていて、それが「スーパービュー踊り子はJR東日本で一番の特急」「JR最後の格調高いサービスを残している特急」という評価に繋がっていたのは間違いありません。
「サフィール踊り子」と似たような条件下でほぼ定期運転されている列車があります。
近鉄の観光特急「しまかぜ」です。
「しまかぜ」は6両編成で、基本は全席プレミアムシート。そこに個室車両と2階建てのカフェカーが連結されます。
ドリンクサービスはありませんが、全席におしぼりと乗車証明書の配布というシートサービスが行われています。
また、カフェカーは予約制ではなく完全フリー入場制で、メニューもピラフやカレー・麺類・スイーツと多岐に渡り、狭く小さなギャレイでこれらホットメニューを次々に提供しています。
スイーツは、難波発着の列車では系列ホテルのパティシエがこの列車のために作ったオリジナルスイーツを出しています。
これだけのサービスを、多い日で一日3往復(難波・京都・名古屋発着が各1往復)の列車で行っています。
「しまかぜ」に乗るとほとんどの人が「また乗りに来たい」と思い、実際に多くの利用者がリピーターとなっています。
事実、2013年の登場からもう何年も経っているのに、いまだに観光シーズン外の平日でも満席ということも珍しくありません。
そこには、ただ単に「比較的安い特急料金で、大きな座席に座われて、車内のカフェで食事もできる」というだけではなく、
そこに「近鉄が自社でできる100%のサービスを惜しみなく出して走らせている」という、「近鉄の本気」があるからではないでしょうか。
乗客からすれば、運行会社の中の事情やそこに掛かる努力を知らずとも、「隙のないサービスマインドが、乗車してから下車するまで感じられる」からこそ、「いつも満席で人気の列車」という事実に繋がっているのだと思います。
JR東日本という大会社が最高級のリゾート特急を「看板列車」として走らせるのに、グループ会社をも巻き込んで、横の繋がりでもっとやれることがあるだろうに、やらない。
「この程度のモノでも、首都圏を抱えるエリアの特殊柄、集客にも困らないし、集客率が落ちることもないだろう」という、近鉄の「しまかぜ」に比べるとライバルのいないが故の「慢心」とも思える裏事情が垣間見えるような気がします。
乗客の満足を、体感だけではなく心理的な部分にもどこまで迫れるか、というサービスの根幹に近づこうとする姿勢が感じられないのがとても残念です。
「サフィール踊り子」では、車内インテリアや座席の居住性(一部に難はありますが・・)、フルアクティブサスペンションの全車搭載で揺れの軽減など、「ハード面」では「あの『スーパービュー踊り子』の次に来る新しい時代を担うにふさわしい素敵な列車が誕生したな」と思わせる一方で、「ソフト面」では「あーあ、やっぱりJR東日本がやると、このレベル止まりか」という、感想しか持ち得ませんでした。
ガッカリ感の大きかった中で、この列車の中で働くサービスクルーの方々の高いサービススキルの素晴らしさだけがキラ星のように強く印象に残るものでした。
(おしまい)
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タムタム
会社としてあまり力を入れていない、ということに尽きるのではないでしょうか。
しまかぜの場合、伊勢志摩は近鉄が沿線開発を行った場所でもあるので、地域ブランドのとの相乗効果も期待して大げさに言えば社運を賭けた一大プロジェクト。
それに対しサフィールは、伊豆東海岸は東急の開発で沿線自体はJ東にとってうまみはないこと、車両が更新時期だから話題つくり程度の豪華車両でいいや、くらいのつもりじゃないですか。なので必死さも感じられないし中途半端なものを作ったという印象しかありません。同じ条件でもしJ九州がやったら相当違うでしょうね。
11
23
17:26
サフィールのレポートお疲れ様でした。大変興味深く拝読させていただきました。
ハードとしてはPG以外はよさげですね。PGは追加料金など期待値を上げる要素がありすぎて余計にがっかりしてしまう感じが、どこぞの会社が運営している観光列車にそっくりなような気がします。
前回の記事であったPGの荷物置場問題は、今のご時世なら問題は表面化しなさそうですが、インバウンドが回復して外国人旅行者が乗るようになると表面化しそうな気がします。以前九州の特急列車に乗車したときに、フリースペースに一週間程度用のスーツケースや段ボールが20個くらい積み上げられ、通るのに難儀したような状況が発生しそうです。
批評・感想に関しては思ったよりもべた褒めで驚きました(笑) 以前お聞きした限りだとかなりズタボロに書くのかなぁと思っていましたので・・・ソフト面ではアテンダントの接客レベル自体は高いということなので、今後は強力な武器を与えられるかということですね。コロナ禍ということを加味する必要はありますが、きちんとした武器(本文にも書かれているドリンクサービスなど)があれば、かなり魅力的なサービスに変貌する可能性は感じました。
しまかぜは満足度高いですよね。近鉄グループが総力を挙げている感じをひしひしと受けます。コロナ禍でサービスの変更はあるかもしれませんが、あのレベルのサービスを提供できれば多くの乗客は満足しまた乗りたいと思いますね。
11
23
20:58
京九快速
mysさん こんにちは
コメントありがとうございます。
天窓は夜間走行でも車内の雰囲気づくりに一役買っているようですね。
今回は日中の時間帯の乗車だったので、ぜひ夜の時間帯(サフィール4号の一択?)にも乗って体感してみたいです。
トイレが流れないのは非常に困りました。
その後、改善されたんでしょうか。気になるところです。
1人で乗るならコスパのよいグリーン席で満足という感じですね。E261系は車内の雰囲気やカフェテリアのサービスも満足いくものでしたので、熱海・伊豆方面へ行くことがあればぜひ率先してチョイスしたいと思いました。(人気で満席続きなので気軽に乗れなさそうですが)
11
25
13:22
京九快速
タムタムさん こんにちは
コメントありがとうございます。
確かに「しまかぜ」と伊勢志摩の関係を、JR東と伊豆の関係と並べて比較する論調は、開発元の違いからちょっと無理がありましたね。
これだけ立派な新車を作って食堂車も組み込んで、人気店のシェフとコラボしたメニューを車内提供するという意気込みがあるのだから、もっと細かいところまで深度化させたサービス展開で感動させて欲しかったです。
正直、「伊豆クレイル」の時に感じた「とりあえず作って走らせるだけ」な感じから一歩も抜け出せていないように思えました。
JR九州の「36ぷらす3」と比べると、沿線や地元との連携や協力関係の構築がさすが手慣れたものとなっていて、サフィールに足りないのもこの辺りなのかなぁとも感じます。
11
25
13:33
京九快速
Kimiさん こんにちは
コメントありがとうございます。
プレミアムグリーンは「自分でハードルをブチ上げすぎた」感じですね。
それ相当の特急料金を払うことになるので、乗車前の期待感はかなりのものでしたが、「ただ椅子がデカいだけ」。
よっぽどのファンとか、お高い料金を払うことに躊躇がない人じゃない限り、あれにリピートして乗ろうという気は起きないんじゃないかと思います。
ちょうどコロナ禍の中でのデビューでしたが、そもそもそれ以前のプレス発表でもシートサービスなどは盛り込まれていなかったので、コロナや感染予防関係無しに最初からそこまでやる気はなかったということでしょう。
サービスクルーの方々の力量はベタ褒めした通りですが、この時乗った時のクルーが「当たり」だったのか、それともこの列車に乗務するクルー全員がサービスマインドに溢れているのか、またぜひ乗ってカフェテリアサービスを体験してみたいです。
11
25
13:44
らんらんるー
大変参考になりました。e257踊り子グリーン席もどうなんですかね。しまかぜは鉄道ファンだけに人気かと思ったらそういう訳でもないんですね。
最近北海道の特急乗り尽くし旅行記がないですが京久快速さんから見たJR北海道はオワコンという感じですかね??
12
06
02:20
京九快速
らんらんるーさん こんにちは
コメントありがとうございます。
E257系の新しい踊り子号も、どんなものか乗りに行ってみたいなと思っています。
乗りに行った後にはレポート記事にしたいと思います。
しまかぜ号は何度か乗りましたが、いつも満席で、鉄道ファンよりも一般のお客さんのほうが圧倒的に多いです。関西圏の人には「しまかぜは上質なリゾート特急」という認知度が高くて人気なのでしょうね。
北海道はしばらく訪れていないですね。オワコンとかそいうことはないです。キハ261の新しいのとか、もうすぐキハ281・キハ283も終焉が近いでしょうから、コロナ禍が終息したらまず北海道を訪れてみたいと思っています。
12
06
10:32
らんらんるー
また、詳細を含んだ返信コメントをありがとうございます。一般のお客さんに人気なしまかぜはしが気になってきました!
でもキハ283の最高速度が110キロメートルに下げられたこと、北海道の全特急の「スーパー」が外されたのは衝撃的じゃないでしょうか?
今の最速北斗(札幌朝始発のキハ281使用列車でも)1988年青函トンネル開業ダイヤに登場した新キハ183による速達列車と札幌-函館間が3時間29分と同じになるなどの現象も発生しました。
明るい?話題として789系元スーパー白鳥車両によるライラック、キハ261はまなす編成もデビューしました。
サロベツ、大雪の臨時化と幹線特急の北斗、おおぞらの5両化短編成運行も来年3月から開始するみたいなので、来年1月、2月に乗りに行くのも悪くないかもしれません。
12
06
11:29
京九快速
らんらんるーさん こんにちは
コメントありがとうございます。
北海道の特急から「スーパー」が全て消えたのは驚きのニュースでした。最高速度もだいぶ抑えて走るようになったのですね。
「スーパー北斗」に途中停車駅が東室蘭だけっていう超速達列車がありましたが、あの頃のスピード重視の時代が懐かしいです。
12
07
10:20
高鐵
サフィールにはまだ未乗車ですが、他の方々も指摘していましたが、パーサーの方の気配りは素晴らしい一方で、長らく供食サービスの縮小が続いてきたせいか、制約が大きくなっているのがマイナスポイントであるように思われました。
東北新幹線の車内販売の品目から弁当、軽食が消滅した事を考えると実は新幹線に限って言えば車内サービスの今後の進化に期待できるのは東海、西日本なのかもしれません(パーサーの方々の気配りも東北と比べて洗練されつつあると感じます。)。
12
08
11:55
京九快速
高鐵さん こんにちは
コメントありがとうございます。
せっかく車内クルーの方々のサービスマインドが高くても、サービス内容に制約があっては非常にもったいない感じですね。
カフェテリアの営業に車内販売、個室へはヌードルのデリバリーなど、ここ最近の新型特急にしては驚くほど人手を使ったサービス構成になっているので、クルーの方の負担が増大しない程度にもっといろいろなことにチャレンジして欲しいなと思います。
12
09
18:16
快特金沢
こんにちは、レポート拝見しました。
2023年に乗りましたが、乗車の感想が管理人さんと概ね同意出来る内容でした。
せっかく社内クルーや車体そのものが良くてももったいないです。
個人的には車内販売にがっかりしました。
お酒が豊富なのにおつまみにできるもの種類がすくない。
乗車記念に非食品サフィールグッズを購入しようと思っても販売してない。伊豆高原に下車しましたが、土産屋には当たり前ですが、伊豆急グッズしかなくそれを記念に購入しました。
越のsyukuraに乗車したとき、車内販売が豊富だったので、残念でした。
04
24
22:30
京九快速
快特金沢さん こんにちは
コメントありがとうございます。
コロナ禍が明けて、サフィール踊り子もデビュー直後のような指定券が取り難くなっているようですね。
カフェテリアのメニューを久しぶりにチェックしてみたら、私が乗車した時と内容がかなり変わっていて、ラーメンは姿を消してパスタやカレーがメインになり、個室限定メニューなどが増えてて驚きました。
サフィール踊り子の車内販売は、元々がかなり品種を絞っている感じで、あまりバラエティに富んでいるという印象はないですね。
乗車記念のオリジナルグッズなんかも、今でも作って販売していないのが不思議です。
05
08
13:17
kaipan
JRも系列にホテルを持っていたりしますからそのサービスノウハウを取り入れてもいいのでは?と思ったりするのですが・・・。系列といえど縦割りでそういった発想に至らないのは残念なところと言えてしまいますね。
あとこの程度の食事メニューで1両丸々食堂車とする必要があったのかも疑問に感じました。
08
21
21:45
京九快速
kaipanさん こんにちは
コメントありがとうございます。
東北エモーションでは、復路で系列のメトロポリタンホテルのスイーツを積んでケーキバイキングとかやってますね。
絶対できないというわけではなさそうですが、なにか深い理由があるんでしょうか。
08
27
10:35
mys
こんにちは。
乗った感想に関しては概ね管理人さんと同じ印象を受けました。正直まだまだ改善できるのではと思う点はたくさんありましたね…
乗車したのは夜間でしたが、天窓の効果は抜群だと思いました。特別な雰囲気を演出するのに一役買ってるなと感じました。
トイレの件ですが、言われてみればたしかにE657系などと比べると流れにくかった気がします(2020年11月乗車、RS2編成)。
ですが、総合的に見ればまた乗りたいと思いましたし、次こそ個室かプレミアムグリーンに乗りたいと強く思いました。
個人的には、予約制を含む車内販売メニューの拡充に期待しています。
11
23
11:56