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コメント

サフィール踊り子に乗ってきました Vol.4 プレミアムグリーン車のサービスと設備


前回からのつづきです


伊豆急下田に着いた後は、そのまま折り返しの東京行き「サフィール踊り子」2号に乗って戻ります。

この日は臨時の「サフィール踊り子」4号の運転がない日だったので、下田ではほとんど滞在時間がない行程になってしまいました。
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帰りはプレミアムグリーン車に乗ります。
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グリーン車マークの脇に宝石のマークが追加された「プレミアムグリーン」のシンボルマーク。
この「プレミアムグリーン」は、今のところ「サフィール踊り子」にしか存在しないクラスです。
(JR在来線でグリーン席の上のクラスというと、あとはJR九州の787系の一部列車に設定されている「DXグリーン」くらいです)


プレミアムグリーン車のデッキのインテリアはほかのグリーン車車両と同じ内装ですが、デッキ仕切りドアが他のグリーン車はガラス戸であるのに対して、プレミアムグリーン車は木目調のドアに摺りガラスが嵌め込まれた特別なデザインのドアになっています。
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仕切りドアにも「PREMIUM GREEN」のシンボルマークとロゴ。
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タッチセンサー式のデッキ仕切りドアが開くと・・・・

目の前に見える光景に一瞬息を呑むような、明らかに他の車両とは異なる、軽い緊張感を覚える空気が張り詰めている空間が広がります。
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通路を山側に寄せて、海側には独立した大型のレザーシートが2席。
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シートは、背後左右をバックシェルで覆われていて、肘掛けはマホガニーの質感を持った重厚な物。
エアラインの国際線ビジネスクラスのシートを思わせる、個室感のある座席がズラリと並びます。


上の写真は、カメラの自動補正で明るめに撮れている写真ですが、実際に目で見た時の室内照度はこのくらい暗いです。
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座席バックシェル・レザーシート・壁・天井、すべてがブラックで統一されていて、照明はスポットライトと天窓からの外光だけなので、プレミアグリーン車の客室は、かなり暗いというのが第一印象です。


通常ポジションでのシートはこんな感じです。
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リクライニング+レッグレスト+テーブルのフル展開でこんな風になります。
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リクライニングを倒すと、座面が自動的に前に迫り出て後方に沈み込む態勢になります。


前から見ると、こんな感じ。
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座席背面はバックシェルに覆われていてツルンとしています。
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このバックシェルの形状から、座席そのものがカプセルに包まれているかのような感覚になります。
背面収納テーブルは設置されていません。コートや上着をかけられる収納フックのみが装着されています。


左側の肘掛けの先にはコントロールパネル。リクライニングやレッグレスト・読書灯の操作をこれで行います。
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一気にフルリクライニングにしたり、それをデフォルトのポジションに1発で戻すボタンも付いています。
こうして見ると、JR東日本の新幹線の「グランクラス」のコントロールパネルにも似ていますが、プレミアムグリーン車では人的サービスが一切ない(車内販売はある)のでアテンダント呼び出しボタンは付いていません。

ちなみに、充電用の電源コンセントは右側肘掛け先端の膝元あたりに1口設置されています。


テーブルは、1枚板の巨大なテーブルが右側肘掛けのインアーム収納で装備されています。
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同じく右側肘掛けには窪みが付いていて、ペットボトルや車内販売のコーヒーの紙カップなどを固定しておくことができます。
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しかし、この窪みに飲料を差しておくと、インアーム収納テーブルを引き出す際に肘掛けのカバーを持ち上げる際に、窪みに差さっている飲料にガッツリ干渉してしまう設計になっています。


前座席の背面下部には、大きな空間が開けられていています。
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プレミアムグリーン車の窓上には荷物棚が設置されていないので、この足元の空間に手荷物を収納するようになります。
今回持って行ったリュック(サイズ縦380mm×横300mm×奥行180mm)が、余裕でスッポリ収納できました。
1泊程度の荷物を詰めたボストンバックぐらいなら、ここに収納できると思います。


最初にプレミアムグリーン席の写真見た時、この足元のスペースはレッグレストで持ち上げた足先を入れられるように開けられているのかと思ったのですが、公式では手荷物収納スペースとなっています。

しかし、実際に座ってみると、足先がかなり前座席のシェル下部に干渉するほどに届いてしまい、結果的に成人男性の乗客の多くはこのスペースに足先を投げ出さないと足が伸ばせません。
私の場合も、この荷物収納空間に足先を入れないとゆったり足が伸ばせなかったので、荷物を座席に寄せて通路に置いていました。

この座席はシートを覆うシェル内でリクライニングが完結するように、座席とバックシェルの間にかなり隙間が空けられている設計になっています。
プレミアムグリーン車のシートピッチは1,250mmとかなり広めなのですが、シートピッチは座席の座面中心部間で測るので、座席とバックシェル間の隙間がシートピッチ間隔をかなり食ってしまっているプレミアムグリーン席は、結果的に足元が5-8号車のグリーン車よりも狭いという残念な作りになってしまっています。


この足元の荷物スペースに入りきらない荷物は、デッキ仕切りドア近くにあるバゲージスペースに置くようになります。
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グリーン車のバゲージスペースがかなりの広さなのに対して、プレミアムグリーン車のバゲージスペースはかなり小ぶりに感じます。
プレミアムグリーン車の定員は満席で20人ですが、もし定員の半分の10人がキャリーバッグやスーツケースを持って乗り込んできた場合、10人分のそれらをここに全部置いてそれでスペースいっぱいになってしまいそうな感じです。


このバゲージスペースのある部分で通路はスロープ状になっていて、客室の床面は他の車両と比べて100mmほどハイデッカー構造になっています。
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新幹線の「グランクラス」では乗客が自由に座席の向きを変えることはできませんが、「サフィール踊り子」のプレミアムグリーン車では自由に座席を回転させて向きを変えることができます。

座席を回転させるには、座席背もたれの上(バックシェルの後方内側)に奇妙なレバーが設置されていて、このレバーで座席を回転させることができます。
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一見、華奢そうなこのレバーですが、実はレバーで回転ロックを外す動作がかなり固く、レバーを持ち上げるのに男性の操作でもちょっと力を入れないと簡単に動かすことができません。
さらにこのレバーを持ち上げたままで座席を回転させなければならないので、片手でレバーを固定させたまま、もう片手でをツルツル滑るシェル部分を持ってかなり重い座席を回すという、けっこう無理な体勢と相当な力を要するので、座席の回転は簡単ではありません。

座席を回転させて、向かい合わせにするとこんな風になります。
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見ただけで直感的に「うわ、足元狭そう」と思いますが、実際にこの向きで座るのはかなり狭く感じると思います。


この座席は45度間隔でロックが効くので、このような向きで座席を固定することも可能。
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先ほどのボックス席状に正対して座るよりかは足元に余裕がありますが、それでも足元が広いという感じはしません。
親しい同士の4人グループで乗車時に、みんなで足元が狭いことを承知したうえで、リゾート特急としての気分を楽しむには面白い座席固定位置だと思います。


今回は、私が1B席、下田で合流した友人が1A席を購入したので、座席を回転させて「後展望最前列」を楽しみました。
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行きに乗った8号車の1ABC席の展望眺望はガッカリな感じでしたが、こちらはガラス張りの運転室直後がすぐ客席であることと、客室全体の床面がほかの号車に比べて高床構造になっているので運転室内の機器収納の高さが目線とバッティングしないこともあって、8号車の展望席とは比べ物にならないほどに素晴らしい展望眺望が楽しめました。

運転席は、こうして見るとかなり奥行きがあって広いですね。
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窓までの距離感がかなりあるので、サフィール踊り子の展望席はプレミアムグリーン車の最前列であってもスーパービュー踊り子の展望席には適わないような気がしました。


運転席には列車名と行先の表示対応一覧がステッカーで貼られているのが見えたので、ついつい望遠レンズで覗き見。
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現状ではサフィール踊り子は、下りは全列車が伊豆急下田行き、上りは全列車が東京行きですが・・・・
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この対応表を見ると、スーパービュー踊り子の定期列車にあった池袋行きや臨時の大宮行きも、サフィール踊り子でもコンピューターにインプット登録はされているようです。

さらに、臨時列車用に多様な行き先が設定できるように、多くの駅名が登録されているみたいです。
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リゾート21のキンメダイ電車の到着と入れ替わりで、「サフィール踊り子」2号は東京駅に向けて出発。
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つづく

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タムタム

パッと見た感じ凄く豪華に見えますが(実際豪華なんでしょうけど)、座ってみないとわからない部分というのはありますね。まさか伸ばした足が前のシェルに当たってしまうとは思いませんでした。
新幹線グランクラスは足を必死に伸ばしても前に届かないくらい前後も広いので、後出しじゃんけんのサフィールがまさかの負け?ってなんか不思議ですね。

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02

20:32

京九快速

タムタムさん こんにちは
コメントありがとうございます。

プレミアムグリーン車の車内に入った瞬間に感じる「上級クラス」感はかなりのもので、けっこう感動します。
シート自体も横幅が広く、肘掛回りもかなり余裕があって高級感がありますが、細かい部分ですぐにダメ出しができるような粗が目立つ(マニアでなくとも普通の人にも「?」と感じる部分が多い)のは「やっぱりJR東日本」という印象です。

足元の狭さは、実際に乗ってみてちょっとビックリでした。
乗る前は「在来線特急のグランクラス」を期待していたので、余計にガッカリ感が大きかったです。
向かい合わせや窓に向けた45度斜め固定にすると、もっと足元の狭さが目立ちます。
もう1~2列削って、座席間隔を広げないと「プレミアム」とは言えないのではないかなぁと感じました。
あと、人的サービスが一切ないのが残念ですね。

11

03

10:52

E5

こんにちは。久しぶりにコメントします。

踊り子と言えば、185系の白と緑の車両のイメージでしたが、SVOが登場したときは「すごいのが出たな」と子供心ながら思いました。サフィール踊り子の座席をオールグリーン席にすると聞き、思い切ったことをしたなと思いました。踊り子のこれからのトレンドは諸々ブッ飛ぶ方向でしょうか。(笑)

さて、話しは変わりますが、Vol.3に「メニューカードが作成されているのに、なぜシートポケットに用意しておかないのか?」ですが、私見となりますが、
①新型コロナ感染症対策
②スマホの普及
があるのではないでしょうか。

①は、新型コロナ感染リスク(接触感染リスク)をできるだけ下げる観点からも有効だと考えられます。11月上旬に博多直通の東海道・山陽新幹線「のぞみ」に乗りましたが、シートポケットにメニューカードはおろか車内誌すらない状況でした。

②は、スマホが大量に普及したため、メニューカードをセットする必要性がなくなった、つまり「簡単にインターネットで見ることができるようになった」ため、コストが掛かることはしないということでしょう。上記「のぞみ」のJR東海パッセンジャーズのパーサーさんが車内放送で「メニューはインターネットをご覧ください。」と言っているくらいですからね。①の新型コロナ感染症対策にも繋がります。

とは言え、以前より気軽に旅行へ行けなくなったのは事実だと思います。見るのも乗るのも好きな私には、温めている計画もあるので、この状況が早く収束するよう願うばかりです。

11

22

11:01

京九快速

E5さん こんにちは
コメントありがとうございます。

いよいよ来春から踊り子号もE257改に統一されるようで、185系撤退で新時代の幕開けという感じですね。

メニューカードの件は、新幹線でもそのような案内をしているんですね。

「サフィール踊り子」の場合、「サフィールペイ」などで車内サービスのIT化を感じさせるシーンがあちこちで見受けられますが、アナログなメニュー表はコスト削減だとしても、同乗者とメニューを見ながら「車内販売来たら何買う?」というような旅の楽しい一コマも排除してしまっているような気がしました。
「コロナ禍での感染リスクを無くすため」と言われてしまうと、航空会社でも機内誌を一斉撤去している状況ですから何とも言えませんが・・

冬に向けて感染拡大の中で、また出掛けるのが困難な状況になってきましたね。
早く気軽に旅行に行ける時代が戻ってきてほしいものです。

11

22

18:46

VIVAかいじ

先週プレミアムグリーンに乗りました。
だいたいの感想は京急快速さんと同じように感じました。
前の席との間隔はびっくりするくらい狭いですね。レッグレストで足を持ち上げると足先が前の席に当たってしまうのでレッグレストは使うのをやめました。
テーブルも折りたたみではない大きな物なので出し入れがとてもしにくかったです。
カーペットの汚れもかなり目立ち、こまめにクリーニングしてないように見えました。
おしぼり1枚のサービスすらないのも残念です。
スーパービュー踊り子のグリーン車が好きでよく乗っていましたが、全体的にかなりスーパービュー踊り子よりグレードダウンしたと感じました。

12

09

19:51

京九快速

VIVAかいじさん こんにちは
コメントありがとうございます。

乗車しての感想をお聞かせ下さって、ありがとうございます。
やっぱり気になる点はみんな同じようですね。
座席の前後間隔の狭さは、最上級グレードのものとは思えないですよね。
座席の背もたれが倒れても、後ろの座席の人に干渉しないような物にしたいなら、新幹線のグランクラスや近鉄ひのとりのように足元を抉ったような作りにすればよかったのに、乗ってて感じました。

鉄道車両の客室カーペットは、大掛かりな検査で工場に入場した際に剥がして丸洗いすると聞いたことがあります。こまめにカーペット洗浄するにはなかなか難しいようです。

12

10

20:08

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ちょいちょいアップします。

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