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JR東海の371系「あさぎり」は1991年3月ダイヤ改正で、小田急新宿-JR沼津間で運転を開始しました。
それまでの「あさぎり」号は、小田急の3000形SE(SSE)車で運転されていましたが、その車両が老朽化が待ったなしの状態に。
そこで、小田急とJR東海で協議した結果、御殿場線内の列車交換設備が完成した後に両社で新型車両を製造し、それまでの小田急車両の片乗り入れだったのを両社の車両で相互乗り入とし、特急に格上げすることになりました。
小田急は新型ロマンスカー20000形「RSE」、JR東海は371系をそれぞれ「あさぎり」用に導入。
両形式は基本的な部分を合わせる設計となり、2階建て車両の上階にグリーン席(スーパーシート)が設けられました。
371系は2014年まで活躍した後、JR東海から富士急行に売却。現在は富士急行線で「富士山ビュー特急」として活躍中です。
★特急「あさぎり」号相互直通運転記念 JR沼津駅-小田急新宿駅 1991年2月発行

特急「おおぞら」は、1961年のダイヤ改正で誕生した北海道初の特急列車。
登場時は函館-旭川間(室蘭本線・札幌経由)の特急列車でしたが、翌1962年から釧路行きの付属編成の連結が始まりました。
愛称としては、現在までに釧路特急「おおぞら」として長寿の活躍を続けていますが、札幌-釧路を結ぶ重要路線の特急ということで、JR北海道発足後には、特急「おおぞら」を券面デザインにしたオレンジカードがたくさん作成されました。
★特急おおぞら 1987年9月発行

1989年3月ダイヤ改正から湖西線内での最高運転速度が130Km/hに引き上げられたことから、130Km/h運転に対応した485系編成を用いた特急「スーパー雷鳥」が運転を開始しました。
この時のダイヤ改正では、JR東日本で同じく最高速130km/hの651系「スーパーひたち」が運転を開始したことから、東西の高需要特急に「スーパー特急」が同時に誕生となりました。
★スーパー雷鳥 金沢支社 1989年10月発行

JR九州の783系は1988年3月にデビューした、JRグループの中でも一番最初に登場した新型車両です。
国鉄民営化・JR発足の1987年3月からわずか1年で誕生したわけですが、その開発は国鉄末期の頃からすでに始まっていました。
「ハイパーサルーン」という愛称を付けられた783系は、JR九州のドル箱路線である鹿児島本線の特急「有明」に投入され、その後長崎本線の特急「かもめ」、日豊本線の特急「にちりん」へと活躍の場を広げていきます。
しかし、1992年には次世代型の豪華特急車両787系が登場したことから、783系がJR九州の看板を飾った期間は短く、1994年には早くも787系のレベルに居住性をグレードアップさせるリニューアル工事が始まりました。
★ローレル賞受賞記念 JR九州783系特急電車ハイパーサルーン 1989年7月発行

JR東海 キハ85系「ワイドビューひだ」のオレンジカードの続きです。
同じくキハ85系で運行されている「ワイドビュー南紀」のオレカもご紹介します。
★ワイドビューひだ 渚~久々野 1993年6月発行

1989年2月から運行を開始したJR東海の新型気動車キハ85系。
「ワイドビューひだ」の愛称で高山本線に投入され、その後、紀勢本線の「ワイドビュー南紀」にも投入されました。
展望席を設けたり、側窓を大型化したりと観光向けに大幅なグレードアップが図られています。
ディーゼルエンジンはアメリカ・カミンズ社製が搭載され、海外製のエンジンが気動車用に採用されるのは戦後初の事で、国鉄分割民営化で誕生したJR各社が柔軟な営業戦略が取れるようになった象徴とする出来事として当時は大きな話題になりました。
JR東海が新幹線・在来線を通して初めて製造した新型車両ということで、100系新幹線と共に同社の広告塔としての役割も担い、また高山本線が観光路線でもあったことから、キハ85系を絵柄にしたオレンジカードが多数作成されました。
★新型車両デビュー記念 キハ85系 1989年1月発行

国鉄分割民営化後に発足したJR東海では、国鉄時代に登場していた100系新幹線の増備を推し進め、東海道新幹線の主力を0系から100系へ若返りを図ることに注力。
2階建て車両を連結した豪華さと先頭車のシャープな印象で、100系新幹線はJR東海のイメージリーダーの役割を果たしました。
「シンデレラエクスプレス」「クリスマスエクスプレス」といった有名なTVCMには、必ず100系の姿があり、大卒学生の人気就職先のトップランクにJR東海が登り詰めたのも、100系新幹線の存在があったからこそと言っても過言ではなかったと思います。
もちろん、オレンジカードでも100系新幹線を絵柄にしたものが多く発行され、90年代前半くらいまでは「新幹線乗車記念オレカ」も多く作成されていました。
★シンデレラ・エクスプレス 1987年6月発行

遠距離恋愛をモチーフにしたTVCM。
イメージソングは当時「恋愛の教祖」「恋愛の神様」として若い女性に絶大な人気を誇った松任谷由実が歌う、タイトルもそのものずばりの「シンデレラ・エクスプレス」。
のちに続くJR東海の「エクスプレス」シリーズの第1弾ですが、このシリーズ一発目でJR東海のカンパニーイメージは爆上がりし、東海道新幹線と100系新幹線車両のイメージは「ビジネスマンのおっさんの乗り物」から「若者が恋愛を語る乗り物」へと大変貌を遂げました。
TVCMは、東京で週末を過ごした遠距離恋愛の若者を描くストーリー。
カップルの片方が東京駅日曜最終の下り「ひかり」で地方へと帰ってゆく時の別れのシーンを切なく描くもので、このCMが放映されると、自身も遠距離恋愛ドラマの主人公になれるということで、日曜最終の「ひかり」289号の発車時間のホームは別れを惜しむカップルだらけとなりました。
当時の日曜の「ひかり」289号は0系での運転でしたが、このCMの反響があまりに大きかったため、JR東海では運用ダイヤを変更して0系から100系に変更し、若者たちにTVCMと同じ舞台を提供するなど、サービス精神旺盛な一面も見せました。
ちなみに、カード券面のモデル女性が掲げているシンデレラのガラスの靴は、現在、名古屋のリニア・鉄道館に収蔵されています。