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Airline timetable history -ANA1998 その1

新シリーズ、スタートです。

以前に手持ちコレクションの中から、JR特急のパンフレットを年代順にご紹介するシリーズを上げましたが、今回はエアライン各社の昔の時刻表から、当時の運航ダイヤや機材・どんなトピックがあったのかを見てみよう、みたいな。



第1回は、ANAの1998年ごろのタイムテーブルを開いてみます。

近年のもので、一番古い手持ちコレクションのは、1998年5月号でした。
(これよりもっと古いコレクションは、一気に1980年代前半まで遡ってしまい、これはまた後日・・)

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「ALL FOR YOU. ANA」のキャッチコピーがなんとも懐かしいですね。


この頃のANAグループで使われていた機種です。
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では、羽田発着の幹線のダイヤがどんなだったか見てみましょう。


日本の大動脈、羽田-大阪線。
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本数、少なッ!!
その上、1日わずか9便を関空と伊丹で半分ずつに振り分けているのが驚き。
黒い字の「軽食」「飲物」は普通席でのサービス。朝便では普通席でも「軽食」付き。



羽田-札幌線
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朝と晩のそれぞれ1本を除いて、全便がジャンボ機での運航。
さすが世界一の旅客数を誇る路線です。
朝便以降では、全便の普通席でお茶菓子もサービスされていたみたいですね。



羽田-福岡線
ANAtimetable1998-005.jpg
こちらも朝と晩のそれぞれ1本を除いて、全便がジャンボ機での運航。
しかも、東京発はB747SR(LR)スーパージャンボ便は無く、全てがB747-400テクノジャンボ。
今ではジャンボが1日1本しか飛んでいないのがウソのような時代です。



羽田-沖縄線
ANAtimetable1998-006.jpg
こちらも、今と比べると本数がすごく少ないですね。
(2011年10月は、初便6:05~最終20:00で、この頃の2倍の10本の設定)
全便がジャンボかと思いきや、トリプルセブンやB767-200なんかも飛んでます。



この頃は、国内線でまだまだB747SR(LR)「スーパージャンボ」が準幹線で活躍中。
羽田-函館線に1本
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羽田-秋田線にも2本。
ANAtimetable1998-008.jpg
ちなみに、秋田新幹線は前年の1997年に開業済み。

羽田-小松線には3本。
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羽田-長崎線には2本。
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羽田-鹿児島線にも2本。
ANAtimetable1998-011.jpg


こちらはANK運航による、羽田発の離島便。まだまだYS-11が主力です。
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エアー北海道(ADK)も、稚内と函館をベースにして、こんなに飛んでました。
ANAtimetable1998-013.jpg


「スーパーシート」のサービス案内です。
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空港ラウンジ「ANAラウンジ富士」があちこちの空港で使えたんですね。
専用カウンターを設置した空港も、今のプレミアムクラスより多いですね。


今では当たり前の「事前座席指定」が、この頃は話題のサービスだったよう。
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ANAマイレージクラブの「プラチナ」サービスの案内。
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現在のサービスの“原型”のような内容ですね。



次回では、続けて1998年の他の月の時刻表から、当時のANAのサービスを紐解いてみます。


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Airline timetable history -ANA1998 その2

前回に続いて、ANAの1998年頃の時刻表をご紹介。


表紙に大きく「エアバスA321」。この年の3月に初号機を受領、運航を開始しています。
ANAtimetable1998-017.jpg

最終的に10機が揃うA321ですが、この頃はまだ2機体制。
時刻表上からは、簡単に2機の一日の運用が読み取れます。

・羽田を基点とした運用
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羽田-青森-羽田-岡山-羽田-山形-羽田-関空で一日を終了。

・関空を基点とした運用
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関空-松山-関空-稚内-関空-鹿児島-関空-羽田
一日で北の最果て「稚内」から南国「鹿児島」まで飛んじゃうのがスゴイ。

羽田基点の便は、975便で関空到着後に1日の運用を終了。
一方の関空基点の便は、826便で羽田到着で1日の運用を終了。
関空で双方の機体を入れ替えして、2日に1回のペースで羽田に戻るようにしていたんですね。



夏休みの7月13日~8月31日の時刻表。沖縄キャンペーンの「キンキキッズ」が登場。
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繁忙期ならではの、すごい運航が見られます。
ANAtimetable1998-021.jpg

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羽田-函館・羽田-鹿児島線。一日中全便が「スーパージャンボ」。



1998年10月の時刻表。
いまや、ANAのフラッグシップの地位を確立したB777-300も、この年の7月に登場したばかり。
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羽田-札幌線ですが・・・機種表示欄に何やらヘンなマークが。
ANAtimetable1998-026.jpg

その正体はこちら。
ANAtimetable1998-027.jpg
オレンジ色のキツネのマークは、北海道路線のお得なきっぷ「キタキップ」設定便。
黄色の星のマークは、羽田-札幌線の最終便限定の激安運賃「ほしぞらきっぷ」設定便。

あ、ちなみに70便と71便の丸いマークは「ポケモンジェット」運航便。
このマークは、わりとお馴染みの方も多いのでは?



変わりまして、「スーパーシート」のサービス案内です。
ANAtimetable1998-024.jpg
「ANAラウンジ富士」のご利用案内が消えていますね。

実は、
ANAtimetable1998-025.jpg
この年の9月いっぱいで、スーパーシートの空港ラウンジサービスは終了してしまいました。
そのかわり? スーパーシート料金が4,600円→4,200円(3,550円→3,200円)と僅かに安くなりました。


一気に1年ほど時間が進みまして、1999年11月号。
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いよいよ、ANAが「スターアライアンス」に加盟。
表紙にも、初代スタアラ塗装機が大きく使われています。

国際線のページには、小さく「スターアライアンス」の紹介が。
ANAtimetable1998-029.jpg
今では20社を超えるメガ・アライアンスに成長した「スターアライアンス」。
この頃の加盟会社は、ANAを含めてまだ9社。
「アンセット・オーストラリア」や「ヴァリグ・ブラジル」の名前も載っていますね。

ちなみに、スタアラ塗装機は同年の8月からすでに国内線で飛んでいたようです。


で、翌12月の時刻表の表紙。
ANAtimetable1998-030.jpg
右下に「A STAR ALLIANCE MEMBER ★」の記載が加わっています。




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おおば比呂司さんの全日空タイムテーブル その1

30代後半以上の方は、きっと一度は見たことをあるかと思います。
1970年代から1980年代にかけて、全日空時刻表の表紙のイラストを手掛けていた漫画家の方です。
漫画以外にも、この時刻表のようにイラストをあらゆる方面で描かれていたので、この時刻表以外にも別のところでこのタッチのイラスト見たことあるかも・・・という人も多くいらっしゃるかと。

Wikipedia おおば比呂司

私が持っている中で「最古」の時刻表。1974年8月号。まだ私は生まれていません(笑)
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仙台の七夕祭りとL1011トライスター。

トライスターで「日本各地を網羅するネットワーク」をイメージしたものでしょうか。
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トライスターと熊本名物を描いた作品。
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今なら「くまモン」も加わっていそうですね。

1979年1月の時刻表です。
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B747SR「スーパージャンボ」の就航はこの年の3月でしたが、早々と時刻表の表紙に登場。
当時の全日空がいかにこのジャンボの就航に力を入れていたかが伝わってきます。

1979年3月の時刻表。
TT-ANA005.jpg
ここでついに「全日空の新しい翼 スーパージャンボ 500人乗り」と就航を大きく謳っています。

ちなみに、就航時はJA8133とJA8134の2機体制。
羽田0755《53便》札幌0920/1015《54便》羽田1145/1400《255便》福岡1540/1635《260便》羽田1805
羽田0935《81便》沖縄1215/1310《84便》羽田1530/1640《69便》札幌1805/1900《70便》羽田2030
時刻表の中で運行パターンを調べると、初期はこの2パターンで飛んでいたようです。

1979年6月号。
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ビッグスニーカーキャンペーンで、表紙にも夏の北海道。涼しげなイメージが伝わってきますね。

1980年2月号。山形県のイメージイラスト。
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この頃は、あと10年ほどで山形新幹線が開通して空路は全廃になるとは思ってもいなかったでしょうね。

1980年8月号。
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かもめと一緒に飛ぶスーパージャンボがなんとも涼しげです。
よーく見てみると、背景にトライスターが飛行機雲を描きながら飛んでいます。

1981年9月号。
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「かろやか九州」キャンペーンですが、背景に描かれているのは・・・函館の街並みでしょうか?
(K様より長崎の風景とのこと。稲佐山のシルエットに見た長崎港口と大浦天主堂だそうです。K様、情報ありがとうございました!)

1981年11月号です。
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スーパージャンボの到着を待つ地上係員と整備士の姿。
この頃の羽田ではまだ大型機も、沖止めでタラップを使って地上から乗るというのが普通でした。



(この後も「おおば比呂司さん」特集、つづきます)

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おおば比呂司さんの全日空タイムテーブル その2

さて、前回からの続きです。

1981年の12/1~24。年末年始帰省ラッシュが始まる前ですね。
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サンタクロースがコンテナトレーラーやトーイングカーを運転しているユニークなイラスト。

そして年末年始のラッシュ増便に対応した時刻表。
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1982年は戌年(いぬ)ということで、地上係員さんが犬を抱えてます。
日の出を背負ってトーイングされて来るスーパージャンボも、おおば比呂司さんの独特な描写ですね。

さらにその続きの1982年1月の普通ダイヤに戻った時の時刻表。
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スーパージャンボにわざと色を付けなかったのは、雪が降りしきるイメージなのでしょうか。
こうして見ると、白黒のイラストでも、なんだか心がホッコリする優しいタッチです。

1982年2月号
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右端のおおばさんの印とサインの下に小さく「AIRPORT」と書かれています。
一面の雪の向こうに見えるのは、千歳空港のターミナルビルでしょうか。

1982年3月号。
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1979年からはB747SR-100が表紙を飾ることが多かったのですが、今号は「トライスター」が主役です。
地上係員さんの「いってらっしゃーい」のお手振り見送り、出発シーンですね。

ちょっと飛んで1982年5月号。
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YS-11とL-1011の競演という、一定の年代以上の方には涙が出るほど嬉しくなるような表紙。
当時の全日空の主役機のほかに、旅客機黎明期に活躍した機体の紹介が加えられています。
「1922年(大正11年)日本航空輸送研究所は11月15日、堺-高松間に定期航空輸送を始めた。
軍より払い下げを受けたイ号甲型水上機」

1982年9月号
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スーパージャンボの横に描かれているのは昔の飛行艇。愛称は「きりん号」
「昭和11年 日本航空輸送研究所では海軍より払い下げを受けた、スーパーマリン“サザンプトン”飛行艇を改造。
乗員・乗客15名をのせて、定期便に使用した。
機内ではビールのサービスがあってスチュワーデスと共に活気があったという」

さらに一気に進んで1982年~83年の冬季帰省ラッシュ増便にあわせた時刻表。
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表紙の主役はもちろん「スーパージャンボ」。

1983年2月号。
TT-ANA019.jpg
夕焼けの空をバックに、雪原のようなランウェイにディセンドしてくるスーパージャンボ。
この号かもう一月前の1983年1/11~31号からかはわかりませんが、おおばさんのサインが変わっています。

そしてこの号を最後に、おおばさんのイラスト表紙は終わります。
次号からは、ANAの保有する機体の写真が表紙に取って代わられましたが、それはまた別のお話し・・・。

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京九快速

Author:京九快速
ちょいちょいアップします。

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