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パンフレットに見るJR特急ヒストリー -Vol.1 1988

ご無沙汰してます。前の記事アップから間が空きました。
どうもすいません。


ネタが切れました(笑)

手持ちで残っていた旅行記ネタも全部アップしちゃいまして。



そんな頃ちょうど、我が家にネット革命来たる!

私の住む僻地にもようやくJ:COMさんがケーブルテレビを引いてくださいましてね。
ネット環境も、Y!BBからケーブルテレビに変えたんですが。



今までのY!BBでは、1分の動画のD/Lに3分掛かるというアホーな環境だったんですが、
J:CONさんのウルトラ160M、速ぇぇぇ~~~~~よォーーーーー!!!!


ネット速度上がる
  ↓
これまで全然見られなかったYoutubeとかニコ動に入り浸る
  ↓
なついファミコン動画にハマる
  ↓
さっそく中古でファミコンソフト買う
  ↓
久々のファミコンにハマる


というカンジでですね。自分のサイト・ブログへの新規記事アップ放置状態(笑)






サイト管理人、失格です!




そんな京九快速さんのプライベートな話には誰も興味ないですかそうですか。






しかし、ネタがありません。(大事なことなので以下略)





そこで、私の手持ちコレクションをアップして時間稼ぎをしようという暴挙に出てみることにしました。

駅なんかで配っている「今度こんな新しい特急が登場します!」的なパンフレットもマメに集めてきましたが、今見返してみるとなかなか「歴史」を語れるくらいのコレクションになってましたので、手持ちで一番古い1988年の頃からJR特急ヒストリーを紐解いてみようかと。


初回は1988年です。国鉄がJRに分割民営化されて2年目。



■ハイパーサルーン(JR九州)
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■オランダ村特急(JR九州)
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4両編成化後、表紙イラストが水戸岡氏なので1989年頃のものと思われます。
これら九州の列車のは、当時文通で写真やパンフを交換していた九州の鉄友達が送ってくれたものです。(文通とか懐かしいすなぁ。)
ハイパーサルーンとオランダ村特急も、関東在住の私には全く縁がない存在だったので、パンフレットを眺めては「ふ~ん」としか思ってなかったです。ぶっちゃけ。
まさか、後年になってドーンデザイン・マジックに取り付かれ、年1~2回の九州詣を繰り返すようになるとは露知らず・・・・


■北斗星(JR東日本)
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近所の駅に置いてあったものです。
ここからパンフコレクションが始まってしまった、記念すべき?1枚。

表紙の写真がカッコよすぎー! EF81-95って、なにげにレインボー機ですな。
JR東日本のパンフなので、東編成の紹介となっています。
グランシャリオが全て4人掛けテーブル。3・4号もまだ季節列車のモノクラスです。

「大人になったら絶対北斗星乗るんだ!」と心に決めた当時、初乗車までまさか10年以上も要するとは思わなんだ(笑)



次回は、翌年の1989年。
アレとかアレが出てくる年ですね。

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パンフレットに見るJR特急ヒストリー -Vol.2 1988北斗星


今回は「1989年」の予定でしたが、ちょっと探したら「北斗星」の別バージョンのが見つかったのでそちらを。



■JR北海道バージョン

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表紙には機関車や客車の写真を全く使わず、深いブルー一色に北斗星のエンブレム。
かなり上品な感じです。
多分、駅のパンフレット差しに入れての配布ではなかったのではないかと思いますが、東京駅のJR北海道プラザではカウンターに10数冊ほどが置いてあって「ご自由にお持ち帰りください」になってたので遠慮なく貰ってきました。

誌面は上野発札幌行きの、当時の「北斗星1号」(←担当がJR北海道の編成でした)の時間を追ってのドラマ仕立てとなっていて、表紙の大胆さに負けない構成。ページ後半は青函トンネルの紹介となっています。




■JR東日本バージョン

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前回紹介したJR東のパンフレットは登場初期のものですが、これは1990年頃のもの。
JR北海道のものほどではありませんが、モデルさんを使って個室や食堂車での楽しい時間を演出している写真になっています。

しかしなんといっても、モデルさんの髪型やファッションに時代を感じますな・・・・
そして、そこに写っている個室や食堂車のインテリアが今もほぼそのままというのが、時代の流れのギャップというか・・・「北斗星」の息の長さと大胆な手入れがなされないままに今に至っているというのが、改めて感じられます。




次回こそは、1989年にタイムスリップ!!

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パンフレットに見るJR特急ヒストリー -Vol.3 1989

いよいよ1989年です。

3月11日のダイヤ改正で、「新生JR」を印象付けるエポックメイクな新特急たちが日本各地で登場。


■651系 スーパーひたち
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>>拡大画像はコチラ<<
>>登場当時の時刻表はコチラ<<

JR東日本エリアで先陣を切って新型特急が投入されたのが常磐線。
こんな斬新な新型車が、どちらかというと地味な印象の「常磐線」に投入されたので、より一層際立ったインパクトがありました。
当時、地元では「新幹線みたいな電車がやって来た」と評されていました。


■キハ85系 ワイドビューひだ
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>>拡大画像はコチラ<<

実際には3月のダイヤ改正より1ヶ月ほど前から運転が始まっていました。
ディーゼルカーでも、ここまでオシャレなデザインの車両が作れるのかという印象でした。(ディーゼルカーというと重々しくて厳ついというイメージがあったので)


■485系 スーパー雷鳥
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>>拡大画像はコチラ<<
>>登場当時の時刻表はコチラ<<

東の「スーパーひたち」に対して、西には「スーパー雷鳥」が登場。
どちらも最高速130Km/hが売り物でしたが、「スーパー雷鳥」は既存の485系を改造した車両でした。
ちなみに、JR西日本ではアーバンネットワークに221系新型「新快速」を投入。ドル箱路線に新型特急を投入するよりも、競合する私鉄路線との熾烈な乗客獲得競争に晒されている「新快速」への新車投入を優先させた点から、このエリアの特性のようなものが垣間見えます。


■100N系 グランドひかり
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>>拡大画像はコチラ<<

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>>拡大画像はコチラ<<

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>>拡大画像はコチラ<<
>>登場当時の時刻表はコチラ<<

この頃はまだ100系新幹線に新車効果がありましたが、2階建て車を4両も繋いだダイナミックさは群を抜いてインパクトがありました。「まるで模型の編成がホンモノになったみたい」とか思ってました(笑)


■キハ71系 ゆふいんの森
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>>拡大画像はコチラ<<

「ゆふいんの森」・・・なんてオシャレなネーミングだろうかー!
「スーパー○○」の愛称にワクテカしてた中坊も、「ゆふいんの森」という響きにうっとり。
そしてその優雅なネーミングに反してズングリムックリな車両・・・・そのギャップにズコー!
(この中坊にこの車両の素晴らしさが分かるまでは、この後10年ほどを要することになる)


■夢空間
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>>拡大画像はコチラ<<

「新型車両」というより、パビリオンですかね。「横浜博覧会-YES'89」の。
YES'89は何度か行ったのですが、桜木町駅前で公開されていた「夢空間」も毎回見に行ってました。
当時はこの車両がまさか営業路線上を走るとは思わなかった(それこそ車両そのものもハリボテみたいなもんだと思い込んでいた)ので、車内の写真を撮ったり、食堂車で軽食を摂ったりしなかったことを今でも悔やんでます。


ちなみに1989年はこんな年。
--鉄道界--
・首都圏近郊快速を「アクティー」「タウン」「スイフト」「ラビット」「アーバン」と命名
・東海道線211系に2階建てグリーン車が登場
・下り寝台特急「北陸」でチェックアウトサービスを開始
・JR四国で2000系振り子式気動車「TSE」の試作車が運転開始
・寝台特急「富士」「はやぶさ」にB寝台個室「ソロ」が登場
・標津線・天北線・名寄本線・池北線が廃止
・上越線でD51-498による「SL奥利根」号が運転開始
・東海道新幹線25周年

--世相--
・昭和天皇が崩御 新元号「平成」を発表
・消費税施行(当時の税率は3%)
・任天堂が「ゲームボーイ」を発売
・中華人民共和国で天安門事件が起こる
・美空ひばりが死去
・幕張メッセが開場
・ベルリンの壁が崩壊
・横浜ベイブリッジが開通
・宮崎駿監督の「魔女の宅急便」劇場公開



次回は1990年。
1989年の新型車両登場で勢い付いたJR各社が、好景気に後押しされてさらに飛躍します。

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パンフレットに見るJR特急ヒストリー -Vol.4 1990


1990年です。
この頃から徐々にJRグループで一斉に「全国ダイヤ改正」を行わず、各社独自にダイヤ改正を設定する例が始まっています。


■251系 スーパービュー踊り子
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>>拡大画像はコチラ<<
>>登場当時の時刻表はこちら<<

この年、JR東日本が放った目玉新型特急。
完全にリゾート仕様に特化した車内設備が話題となり、その多彩な設備はパンフレットからも溢れんばかりに伝わってきます。
ダイヤ改正日とは関係なく、ゴールデンウィーク開始日の4月28日から走り始めました。


■200系新幹線「2階建てグリーン車」
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100系タイプの2階建てグリーン車が東北新幹線にも登場。
この車両も6月23日と、ダイヤ改正日と関係なくデビューしました。
当初は1両だけだったので、日によって投入列車が異なり、また13両という変則的な両数で編成を組んでいました。
後年、2階がグリーン車・1階がカフェテリアの2階建て車も登場しています。


■189系 「グレードアップあさま」
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夏休みシーズンが本格的に始まる7月27日に運用を開始しています。
この頃は避暑地として軽井沢リゾートが流行の頃だったのか、「グレードアップあさま」の第一編成はグリーン車を2両連結した12両編成で登場しました。
車内は新型車と見違えるように生まれ変わり、とりわけグリーン車はゴージャスに。


■785系 「スーパーホワイトアロー」
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新車告知パンフレットはなかったのですが、通販で買った登場記念オレカを持ってました。
最初雑誌でこの車両を見た時は、どっかの私鉄の新特急かと思いました。
JR北海道初の新型特急とは、意外とジミなフォルム。
そのジミないでたちとは裏腹に、爆走の強靭なスペックを持った電車だと思い知らされるのはこのあと7~8年後のことでした。


■「クリスタルエクスプレス・トマムサホロ」 2階建て車両
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1992年も終わりの12月22日、限りなく1993年に近い頃に登場しました。
個室にボックス席、ラウンジにビュッフェとリゾート特急の魅力をギュッと詰め込んだ2階建て車両で、この車両を組み込んだ「クリトマ」はかなり貫禄がついたように感じられました。

これまでに何度か北海道旅行へ行っていますが、その度に運転日と訪道が合わず、未だにお目にかかれていない車両です。


■485系 「KAMOME EXPRESS」「MIDORI EXPRESS」
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>>拡大画像はコチラ<<

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>>拡大画像はコチラ<<

3月、九州に突如登場した真っ赤な485系。
これまで、遠い九州の車両にはあまり感心もなかったのですが、この赤い485系にはド肝を抜かれました。そしてボディを彩る無数のレタリングとロゴマーク。
「スゲェ!オシャレでカッコイイ!」と、まるで初めて洋楽ロックに脳天を打ち抜かれたような衝撃。

「赤いかもめ」に続き、この年の秋頃には「赤いみどり」も登場。
「みどり」なのに真っ赤に塗るという発想は、たしかに誰にもなかった!!(笑)


■JR九州ジェットフォイル「BEETLE」
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>>拡大画像はコチラ<<

電車ではないですけど・・・・
JR九州の新型特急と同じテイストを持った船ということでリストアップしました。

5月2日に、博多港~平戸港~長崎オランダ村の航路にデビュー。
ドーンデザイン研究所の内装デザインやレタリングなどが船体・船内いっぱいに溢れていて、2年後の787系「つばめ」へと繋がるシックな雰囲気が、先行して試されているような雰囲気です。

後にこの航路は廃止となり、この船体は関空~神戸の「サファイア」へリース。さらに数年後には「サファイア」も廃止となって、再びJR九州へと戻り釜山航路の「ビートル」へ復帰するも韓国側のKMXリース扱いとなったため「ビートル」を名乗れず「ジェビ」の愛称に。
「ビートル航路」と「コビー航路」の統合で、ようやく「ビートル1世」の愛称へと戻って来れたという、数奇な運命を辿っているジェットフォイルです。


■「トワイライトエクスプレス」
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>>拡大画像はコチラ<<

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>>拡大画像はコチラ<<

「トワイライトエクスプレス」そのものは1989年7月21日に、ツアー列車として登場しています。
時刻表に載る「臨時列車」としてチケットが一般販売される定期運行的な列車となったのは1989年12月2日。翌年1990年になるとその存在が広く認知されるようになり、瞬く間に「日本一の豪華寝台特急」として名を馳せ、日本で最もチケットの入手が困難な列車となりました。

こちらのパンフレットは年代的に1991年ごろ?のもの。
この頃、JR西日本は旅行センター「Tis」を東京にも展開していて、そこでわりと多くのJR西日本のパンフレットが
入手できたので、「JR北海道プラザ」と同様に寄り道ルートでした。


■「トワイライトエクスプレス」
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>>拡大画像はコチラ<<

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>>拡大画像はコチラ<<

こちらは「JR北海道プラザ」で貰った、JR北海道が編集した「トワイライトエクスプレス」のパンフレット。
JR北海道側が作ったので、札幌基点で京都・大阪へと向かう観光列車として作成されていて、画像にはありませんがパンフレット巻頭は京都や大阪の観光案内が中心になっています。
表紙のタイトルも「トワイライトエクスプレス 札幌-大阪を結ぶ夢の豪華寝台特急」。



ちなみに1990年はこんな年。

--JRグループのできごと--
・奥羽本線 福島~山形間で標準軌化工事開始
・五能線でノスタルジックビュートレイン運転開始
・ストアードフェアシステム「イオカード」試験運用開始
・651系「スーパーひたち」ブルーリボン賞受賞
・221系新型「新快速」ローレル賞受賞
・2000系気動車「TSE」がローレル賞受賞
・山形新幹線用400系試験車両登場
・ガーラ湯沢が開業
・札幌-帯広間の特急を「おおぞら」から分離。特急「とかち」が登場。
・300系新幹線試作車が登場
・博多南線営業開始
・2000系量産車登場。「南風」「しまんと」で運用開始。

--世の中の動き--
・大阪で花の万博が開幕
・イラクがクウェートに侵攻
・オリックスが新ニックネーム「ブルーウェーブ」を発表
・TBSで「渡る世間は鬼ばかり」シリーズがスタート
・任天堂が「スーパーファミコン」発売
・雲仙普賢岳が198年ぶりに噴火
・「クレヨンしんちゃん」が連載開始
・「兼高かおる世界の旅」が放送終了


バブル景気もこの1990年まで。
翌1991年からは徐々に景気悪化の影が世の中に広がり、今に続く平成不況へと突入します。
次回では、そんな「バブル景気終了」の頃に生まれた新型JR特急をご紹介。

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パンフレットに見るJR特急ヒストリー -Vol.5 1991


1991年です。

世間はバブル景気は徐々に崩壊し始め、この年から現在まで続く平成不況が始まりの時を迎えます。
しかしこの頃はまだ「不況」という感じはさほどでもなく、世の中ではまだまだ好景気を引き摺ったような浮き足立った雰囲気だったそうで。

JR各社からも、以前から開発を続けていた華やかな新型特急がまだまだ次々と登場。


■253系 成田エクスプレス
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>>拡大画像はコチラ<<

都心から遠い遠い「成田空港」へのアクセスを劇的に変わったのがこの年。
空港直下に乗り入れる新線とJR線が結ばれ、空港アクセス特急「成田エクスプレス」が登場しました。

「空港連絡」という特殊な用途に限定使用されるため、車内はぶっ飛びなインテリアを採用。
当時のJR東日本の「野心」のようなものが全面に押し出されたように思えます。

その後、時代の変化や利用者数の増大に伴い、特に車内は大きく姿を変え、JR各社の新型特急の中でも一足先に全面的な引退に至ったのはわりと最近のことで記憶にも新しいところ。

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外国人利用者向けに、英語での案内パンフレットも首都圏の比較的大きな駅に設置されていました。
今だったら、韓国語・中国語も併記されているんでしょうね。



■371系 「あさぎり」
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>>拡大画像はコチラ<<

JR東海と小田急の共同企画で登場した特急「あさぎり」。
御殿場・沼津から東伊豆へのアクセスを主眼にした、どちらかというと「リゾート」タイプの新型特急。
JR東海と小田急それぞれで新型車を開発・登場させましたが、JR東海のそれは先頭がカプセル型という前代未聞の形状をした車両。

こちらのパンフは駅配布のものではなく、おそらく試乗会やマスコミ向けに配布されたカタログタイプのものです。たしか東京の鉄道廃品なんかを扱うグッズ店で買ったものではなかったかと。

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運転開始記念のオレンジカードも持ってました。



■キハ183系 キサロハD/D車組込 「スーパーとかち」
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>>拡大画像はコチラ<<

前年に「おおぞら」から分離して新設された新特急「とかち」。
デビューから1年もしないうちに、2階建てグリーン車を編成に組み込んだ特急「スーパーとかち」に新装オープン(?)となり、先輩の「おおぞら」号より格上かつ魅力ある列車に生まれ変わっちゃいました。

新型2階建て車両は、2階がグリーン客室・1階は2人用の普通車個室で構成され、JR北海道ご自慢の「リゾート特急」のテイストを定期特急向けに反映させたもの。

人気だったこの2階建て車、その後は振り子新特急「スーパーおおぞら」の登場などで釧路方面の特急が抜本的に再編された煽りで10年も経たずに編成から抜かれ保留扱いに。
「オホーツク転用」「はまなす転用」が噂されるも、未だに釧路の車両基地の片隅で4両数珠繋ぎで風雨に晒される日々。嗚呼、無情。



■485系ジョイフルトレイン 「リゾートエクスプレス ゆう」
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>>拡大画像はこちら<<

水戸エリアの団体専用車だった旧型客車の「ふれあい」が老朽化で引退するのに伴って、その代替で生まれた新しいジョイフルトレインがこの「ゆう」。
「ふれあい」がお座敷車だったのに対して、ソファータイプの座席やサロン、ディスコフロアに展望ドーム席などで完全に若者向けの仕様で登場しました。先頭形状もかなり奇抜です。

それにしてもモデルさんのファッションがすごいですな。
・・・・肩パット?!




ちなみに7年後の1998年には、こうなっちゃいました。
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・・・・先祖がえり!?
お座敷化改造が施された後もイベントカーのディスコフロアはそのまま残されたため、お座席+ディスコという組み合わせの、おそらく日本で一番のシュールさを極めた編成の列車かと。



■日韓航路 「ビートル2世」
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前年に博多~平戸~オランダ村航路で登場した「ビートル」に兄弟船が登場。
JR航路としては初の国際航路となる、博多~釜山間に「ビートル2世」のデビュー。

当時はまだ「韓流ブーム」なんぞの言葉はない頃で、集客にもかなり苦労したそうです。
しかし先見の明に長けていたJR九州はさすがで、このあと数年後に訪れる韓国への個人旅行ブームに向けて「B2」は着実な運行実績を重ね、そのブームが到来すると週末は予約が困難なほどに。
その後は船体数を4機まで増やし、競合する航空路線を運行廃止に追い込むほどまでに大成長を遂げました。

パンフレット案内を見ると、登場当時の「B2」の船内は「B1」と似たブラックベースのシックなものだったようです。メインデッキの販売カウンターは、現在では「グリーン席」が設置されていますね。



ちなみに1991年はこんなことがありました。

--JRグループのできごと--
・東北上越新幹線の東京駅乗り入れ開始
・特急「はつかり」 青函トンネル内で140KM/H運転を開始
・寝台特急「あけぼの」「なは」「出雲3・2号」に個室車を連結開始
・常磐線に2階建て普通車「クハ415-1901」が登場
・キハ200形「赤い快速」が運転開始
・「夢空間」が「北斗星トマムスキー」号で初の一般営業運転
・JR東日本が「イオカード」システムの一般利用を開始(当時は山手線内のみ)
・七尾線電化開業 「スーパー雷鳥」「しらさぎ」が乗り入れ開始
・「佐久間レールパーク」がオープン
・山形新幹線工事本格化 特急「つばさ」は仙山線経由に変更
・寝台特急「北陸」チェックアウトサービスを終了
・寝台特急「みずほ」「出雲1・4号」の食堂車が営業休止に
・リニア宮崎実験線でMLU002がタイヤのパンクで炎上→全焼
・251系「スーパービュー踊り子」がローレル賞を受賞


--世の中のできごと--
・多国籍軍のイラク空爆で湾岸戦争が勃発
・東京都庁が新宿へ移転、新東京都庁舎が開庁
・ 「WOWOW」が放送開始
・千代の富士が現役引退
・東京・芝浦にジュリアナ東京がオープン
・ロッテ球団が本拠地の千葉への移転・新ネーム「マリーンズ」を発表
・NECが「PC-9801NC」を発売
・パンナムが運航停止、倒産
・ソビエト連邦が崩壊、ゴルバチョフ大統領は辞任
・ドラマ「東京ラブストーリー」、主題歌「ラブストーリーは突然に」が大ヒット



次回は1992年。
この年はかなり大盛り上がり。名車と誉れ高い車両がいくつもデビューします。

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パンフレットに見るJR特急ヒストリー -Vol.6 1992

久々にシリーズ再開です。今回は1992年。



■300系「のぞみ」
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>>>拡大画像はコチラ<<<

鉄道に関しては、この年の世間的に一番大きな出来事だったんじゃないでしょうか。
「300系のぞみ」のデビュー。

見るからにスピードを追求した形状のボディ。
フルモデルチェンジしたこの新幹線に、「未来に近づいた」と感じた人はけっこう多かったのではないかと思います。


これ(↓)もこの新幹線についての大きなエポックでしたね。
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新大阪8時30分着を守るための「名古屋飛ばし」。もはや昔話ですかね。




■400系 山形新幹線「つばさ」
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>>>拡大画像はコチラ<<<
>>>登場当時の時刻表はコチラ<<<

この年は東海だけではなく東日本にも全く新しい新幹線が登場しました。
史上初の「新在直通」の新幹線の開業。それに伴ってデビューしたのが400系。

愛称は、山形でも馴染みの深い「つばさ」の愛称がすんなり決まったかのようでしたが、伝統の愛称を召し上げられてしまった秋田では根強い反発があったとか。



■787系 「つばめ」
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>>>拡大画像はコチラ<<<

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>>>拡大画像はコチラ<<<
>>>登場当時の時刻表はコチラ<<<


JR九州が掲げた「鉄道ルネッサンス」という名の九州島内鉄道網の改革の下に生まれた革命児。

利用者が増え、それによって増収をもたらしたという経営的な面での成功以外に、この列車が最も「革命的」であったのが、「デザインによって鉄道車両でもここまでハイレベルな空間を作り上げる事が出来る」という成功例をもたらしたことではないでしょうか。

「ドーンデザイン研究所」そして「水戸岡鋭治」の名を世に轟かせた代表作。

由緒ある愛称をJR九州が受け継ぐに当たって、JR各社に「つばめ」の名を使うことの承諾を得て回ったという逸話もあり、その後は「787系=つばめ型車両」として名実共にJR九州の代表車両になりました。
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パンフレットも「つばめ」単独のものだけで、時期によって異なったものがたくさん作られています。



■キハ185系 「ゆふ」「あそ」
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>>>拡大画像 その1<<<
>>>拡大画像 その2<<<

特急「つばめ」と同じダイヤ改正で生まれた、九州内陸を貫通するディーゼル特急。
JR四国から購入したキハ185系を改装して登場となりました。
地味な印象だった同系が、化粧直しだけでここまでパワフルでインパクトある姿に。


■キハ183系 「ゆふいんの森 2世」
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>>>拡大画像はコチラ<<<

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>>>拡大画像はコチラ<<<

こちらも特急「つばめ」と同日にデビューした、観光リゾート特急。
人気の「ゆふいんの森」の増発分として、「オランダ村特急」で活躍していた車両を大改造。
ドーンデザインマジックによって、すっかり「ゆふ森」な装いになって帰ってきました。


■特急「ハウステンボス」
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「つばめ」や「ゆふいんの森II」が7月登場だったのに対して、こちらは「ハウステンボス」の開園に合わせて一足先の3月に登場しています。
485系「赤いかもめ・みどり」「レッドエクスプレス」の「赤い特急シリーズ」に合わせた、真っ赤な姿に「HUIS TEN BOSCH」のロゴを入れた専用編成で登場しました。
「かもめ」+「ハウス」+「みどり」の長大編成の485系が走ったことも話題に。


■215系 オール2階建て車両
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>>>拡大画像はコチラ<<<

常磐線に投入した2階建て普通車で得られたデータを元に開発されたのが、このオール2階建て電車。
定員増の目標は達成できたものの、「乗降に手間取り、結果路線全体の遅延の元凶になる」「朝夕のラッシュ時間の普通電車には投入できない」など様々な原因が重なって、結果「使い勝手の悪い電車」に。

現在では朝晩の「湘南ライナー」だけが定期運用で、それ以外は休日にごくたまにひっそりと「臨時快速」などで走る程度の活躍に甘んじていて、“オール2階建て”というダイナミックさには似合わない存在感の薄さです。



■681系 「ニュー雷鳥」
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>>>拡大画像はコチラ<<<

JR化後、西日本初の新型特急がこの年にやっと登場。
しかし、速度向上走行と乗客の利用動向を調べる「試験的な」運転でのスタートとなり、この年の年末も押し迫った12月26日に臨時「雷鳥」で営業運転を開始しました。

今や北陸路に大きな翼を羽ばたかせる「サンダーバード」の登場までは、この後数年を要ることになります。



ちなみに1992年はこんなことがありました。

--JRグループのできごと--
・4月1日でJR各社は創立5周年
・キハ80系特急「南紀」がキハ85系へ置き換え、キハ80系による定期特急が全廃
・JR北海道でもキハ80系がファイナル運転
・SL奥利根号でD51-498とC58-363による初の重連運転
・キハ281系先行試作車が2両で登場、試験走行を開始
・ディーゼルカーに寝台車を組み込んだ夜行特急「オホーツク」が運転開始
・新千歳空港駅開業、快速エアポート登場
・特急「ライラック」の室蘭-札幌間を特急「すずらん」に分離
・485系特急「ひたち」に新塗装編成が登場
・901系が京浜東北線で営業運転開始
・成田「空港第2ビル」駅開業、成田エクスプレス大船延長運転開始
・中央快速線201系に電照ヘッドマークの試験取り付け開始
・ED18-2がトロッコファミリー号で本線復帰
・500系900番台新幹線「WIN350」試験走行開始
・300系J1編成による山陽新幹線の試験走行開始
・8000系先行編成が臨時特急「しおかぜ」「いしづち」で営業運転開始
・JR九州は485系のRED化を完了 国鉄色は消滅
・SLあそBOY 58654号機がカウキャッチャー・ダイヤモンドスタックを装備して登場
・寝台特急「なは」にオールソロ個室車を連結開始
・ED500-901号機が登場 貨物牽引の走行試験を開始


--世の中のできごと--
・太陽神戸三井銀行がさくら銀行に社名変更
・千葉市が12番目の政令指定都市に移行
・「サザエさん」の原作者、長谷川町子さんが死去
・バルセロナオリンピック開幕
・日本全国の公立学校で第2土曜休業の学校週5日制スタート
・日清食品がインスタント麺「日清ラ王」を発売
・三菱自動車工業、初代「ランサーエボリューション」を発売
・沖縄県那覇市に首里城が復元される
・風船おじさんがアメリカ大陸を目指して旅たつも、消息不明に
・ドラマ「ずっとあなたが好きだった」がヒット、冬彦さんが話題に
・CMできんさん・ぎんさんが人気に


次回は1993年。
1992年に政府が公式にバブル景気の終結を発表したことから、いよいよ世間は不景気モードに。
好景気に乗ったJRグループの新型特急の連発デビューも失速ぎみになってしまうのか?!

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パンフレットに見るJR特急ヒストリー -Vol.7 1993


今回は1993年です。


■255系「房総ビューエクスプレス」
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>>>登場当時の時刻表<<<

1993年7月、まだ「夏ダイヤ」のあった房総のサマーシーズン直前にデビュー。
青と黄色と白という鮮烈なカラーパターンを纏った新型特急は、キョンキョン(小泉今日子)に「本当は房総に行きたかった」とまで言わせました(TVCMでのオハナシ)。

この夏、多くの海水浴・レジャー客を房総へとカッさらったこの電車ですが、グリーン席がこれまでの651系・251系・400系などの3列から旧来の183系と同じ4列へとグレードダウンしたこと、また「ビュー」を名乗るわりに窓がそんなに大きくなかったことなどが災いして、鉄道ファンにはあまりいい印象を残せなかったようです。


■E351系 新型「あずさ」
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1993年の年末に登場。
JR東日本で初めての振り子機能を搭載した新型特急。
その振り子機能を試験的に使いながら営業運転に投入したので、この時点では「あずさ」号としてのデビューでした。
「スーパーあずさ」で振り子機能を存分に発揮しての高速運転が始まるのは、この1年後のことです。

このE351系は、JR東日本の新型車で初めて形式の頭に「E」を冠した車両です。


■787系 「にちりんシーガイア」「ドリームにちりん」
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前年デビューの787系「つばめ」型車両が、ついに日豊本線の「にちりん」へも投入。
宮崎県の第三セクターリゾート「フェニックス・シーガイア」へのアクセスを担う恰好で、「にちりんシーガイア」なる新しい名前の特急に投入されました。
特急「つばめ」同様に、グリーン車サービスやビュッフェ営業などの「つばめ」仕様のフルサービスが行われています。

またこの時、夜行急行の「かいもん」「日南」が廃止され、新たに787系による夜行特急「ドリームつばめ」「ドリームにちりん」もデビューしました。



ちなみに1992年はこんなことがありました。

--JRグループのできごと--
・夜行急行「まりも」を、寝台車組込の夜行ディーゼル特急「おおぞら」に格上げ
・夜行急行「能登」を14系客車から489系電車に車種変更
・夜行急行「妙高」廃止
・300系「のぞみ」が1時間ヘッド運転に。同時に博多乗り入れも開始
・高松-伊予市間の電化が完成。8000系特急大量投入。「いしづち」は全列車8000系化
・九州行き寝台特急の食堂車営業が全廃
・DF200-901が北海道で営業運転を開始
・特急「北斗」にキハ183系HETリニューアル車を投入開始
・京浜東北線・南武線に209系がデビュー
・夜行急行「津軽」を485系電車から583系電車に車種変更
・快速「みえ」にキハ75形を投入
・山陰本線園部-福知山間電化工事開始。「出雲1号」が山陽・伯備線へ迂回開始
・JT「わくわく団らん」「ゆうゆうサロン岡山」がリニューアル
・JR四国でキハ181系が最終運転、全車引退
・787系がブルーリボン賞受賞 300系新幹線・EF200形機関車がローレル賞受賞
・「STAR21」が12月21日0:01に時速425Km/hをレコード
・寝台特急「ゆうづる」を臨時格下げ、寝台特急「はくつる」を2往復化
・夜行急行「八甲田」「津軽」を臨時格下げ
・寝台特急「出羽」は寝台特急「鳥海」への吸収統合で廃止
・特急「はつかり」は全列車485系化 583系は臨時運用のみとなる
・特急「あいづ」を廃止 郡山発着のシャトル特急「ビバあいづ」が登場


--世の中のできごと--
・アメリカ合衆国でクリントン大統領が就任
・曙が外国人力士として初めて横綱に昇進
・福岡ドームが完成
・東京ディズニーランドが開園10周年
・Jリーグが開幕
・皇太子徳仁親王と小和田雅子様がご成婚
・千葉県船橋市に「ららぽーとスキードーム SSAWS」が開業
・「横浜ランドマークタワー」がオープン
・「レインボーブリッジ」が開通
・羽田空港に新ターミナル(ビッグバード)が供用開始
・9月にアナウンサーの逸見政孝氏がガンを公表、12月に死去




次回は1994年。あの“大物”がデビューです!

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パンフレットに見るJR特急ヒストリー -Vol.8 1994


1994年です。
前回1993年はちょっとジミでしたが、今回1994年はけっこうパンチの効いたのが登場してきます。




■E1系新幹線 「Max」
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>>>登場当時の時刻表はコチラ<<<

日本初(世界初?)のオール二階建て新幹線「Max」が堂々のデビュー。
各車両とも1階席と2階席の2つの空間を持つことから、多彩な空間演出がなされました。
眺望の悪い1階席の指定席車の座席にはオーディオ装置が装備されたり、デッキにはお弁当やサンドイッチの自動販売機を設置したり。

しかーし! 鉄道趣味者に最も衝撃を与えたのは、2階自由席車の座席が非リクライニングシートの3+3配置となったことではなかったでしょうか。

パンフレットには、JR東日本の新型車両登場告知パンフにしては珍しく芸能人が大きく使われています。
キョンキョンは1990年からJR東日本のイメージキャラクターとしてたくさんのCMに出演していました。
宣伝媒体への出演は1994年までのだったようで、この「Max」への登場はCM登板として最後のほうだったみたいです。

E1系は、登場当時は編成数に予備がなかったため、東北新幹線に投入される列車は水曜日と木曜日が200系で運転される変則的な運用になっていました。



■キハ281系 「スーパー北斗」
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>>>登場当時の時刻表はコチラ<<<

1992年から試作車によって高速度運転の試験走行が続けられ、2年間という長い試験期間を経て成熟した技術を投入してついに晴れの日を迎えたキハ281系。
愛称は、この頃まだ流行であった「スーパー」を冠した「スーパー北斗」に。
自慢の振り子機能と強靭な走行機能を運行ダイヤに惜しみなく反映させ、函館-札幌間を最速2時間59分で駆け抜ける韋駄天走りを見せつけました。

当時は函館-札幌間の流動客シェアを空路と分かち合っていましたが、徐々にJR優位へと利用者を呼び込んだ立役者でもあり、鉄路が空路を凌駕した数少ないケースを作り上げました。

キハ281系の外観デザインは、現在のJR北海道の特急車両のベースとなり、「JR北海道の特急といえばこのスタイル」を確立させた形式でもありました。

しかし、新型車の製造はキハ283系へと移ったため、キハ281系はわずか27両という小所帯で製造を終了しています。



■281系 関空特急「はるか」
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偶然にもこの年、もう1つの「281」が登場しています。
関西空港の開港に伴い、JR西日本が登場させた新型特急が281系。

愛称は、空港アクセスやスピード感を強調したものではなく、旅への期待感を柔らかく表現した「はるか」。
「スーパー○○」「○○エクスプレス」などの英語愛称が乱発していた中で、日本語の美しさに改めて気がつかさせてくれた列車でもありました。

パンフレットには石坂浩二さんを起用。
知的でシンプルな中に静かな豪華さを持った特急であるイメージが伝わってきます。
もちろん、全ての説明・案内を英語でも記しています。


■485系ジョイフルトレイン 「宴」
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「シルフィード」「リゾートゆう」に続く、485系ジョイフルトレインの第3弾が「宴(うたげ)」。
景気が悪化の一途を辿っていながらも、この頃はまだジョイフルトレインの需要が旺盛であり、特に貸切発注元からはお座敷車両の要請が高かったことから、485系改造JTとしては初めてのお座敷電車となりました。

この「宴」はJR東日本でもかなり力を入れて製作したのか、一般の利用者には触れる機会が少ない車両なのに首都圏の多くの駅で登場告知パンフレットが大量に配布され、品川駅では誰でも見学可能なお披露目展示会まで催されました。(展示会では、同時にEF58-61牽引のサロンエクスプレス東京まで車内開放するという力の入れよう)

その後、JR東日本のお座敷車両はこの「宴」がベースとなり、老朽化したお座敷客車に替わって「華」「やまなみ」「せせらぎ」「ニューなのはな」が次々と登場しています。



ちなみに1994年はこんなことがありました。

--JRグループのできごと--
・E351系使用の「スーパーあずさ」を4往復設定
・横須賀・総武快速線にE217系投入開始
・常磐線「平」駅が「いわき」駅に改称
・寝台特急「みずほ」廃止 「あさかぜ」1・4号を臨時格下げ
・寝台特急「はくつる」は1往復に減 使用車両を583系から24系25形に変更
・0系「ひかり」の食堂車設定運用が1往復のみとなる
・寝台特急「つるぎ」を臨時格下げ
・「スーパーはくと」運転開始 「はまかぜ」は2往復に減便
・リニューアル381系使用の「スーパーやくも」を4往復設定
・787系・255系・209系・281系・新千歳空港駅がブルネル賞を受賞
・在来線高速試験車「TRY-Z」が登場
・「アルファ・コンチネンタルエクスプレス」が引退
・新津車両製作所が操業開始
・955形高速試験新幹線車両「300X」が登場
・「かもめ」に787系投入開始
・「ハウステンボス」に新塗装の485系を投入
・「有明」でリニューアル783系が運転開始→年内中に全列車783系化完了
・JR九州は自社内のジョイフルトレインを全廃
・大宮工場にて「新旧つばめの出会うとき」を開催。C62・EF58・EF55・787系が一堂に会す
・883系「sonic883」を報道公開、試運転を開始
・カートレイン九州・名古屋を廃止


--世の中のできごと--
・H-IIロケット1号機が種子島宇宙センターからの打ち上げに成功
・中華航空のエアバス機が名古屋空港で着陸に失敗。乗員乗客264人が死亡
・イギリス・フランス間の英仏海底トンネルが開通
・松本サリン事件が発生
・ジュリアナ東京が閉店
・大江健三郎氏がノーベル文学賞受賞
・恵比寿ガーデンプレイスがオープン
・「セガサターン」「プレイステーション」が発売
・映画「シンドラーのリスト」「平成狸合戦ぽんぽこ」がヒット
・ドラマ「家なき子」がヒット セリフ「同情するならカネをくれ」が流行語大賞に
・小室哲哉プロデュース楽曲がヒット。小室サウンドブームが始まる
・ホンダが「オデッセイ」を発売。ミニバンブームが到来。


次回は1995年。いまや中堅ベテラン勢となった新型特急が初々しく立て続けにデビュー!

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パンフレットに見るJR特急ヒストリー -Vol.9 1995/1996


今回は1995年と1996年をまとめて。

■883系「ソニックにちりん」
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3月から暫定的に一部の「にちりん」に投入されて運転を開始した883系「sonic883」。
4月20日のダイヤ改正で、883系が充当される列車は「ソニックにちりん」という愛称が附され、正式な定期運行が開始されました。

787系「つばめ」をベースに、さらに派手に賑やかにしたような煌びやかな車内が話題となりましたが、パンフレットでも車内インテリアを余すところなく、写真をいっぱい使って紹介しています。
パンフレットも、車両のデザインと統一されたイメージで作成されていて、表紙に「ソニック」となくてもきっと普通の利用者にも「ソニック号を紹介したものだ」と分かりそうですね。

現在は833系はリニューアルされて、特に客室はだいぶ落ち着いた雰囲気に変わりました。




■681系 「スーパー雷鳥(サンダーバード)」
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今や北陸線特急のほとんどをカバーしている「サンダーバード」。
登場当時はわずか「8往復」で、愛称も“スーパー雷鳥系統の新型車”ということで「スーパー雷鳥(サンダーバード)」という、えらく長ったらしいものでした。

パンフレットの中身は、せっかくの待望の新型特急なのに車内の紹介は小さめ。
見開きに「雷鳥」系統の時刻表を大きく載せています。
表紙を見ると、デビュー記念に「サンダーバード」の愛称に引っかけて、人形劇「サンダーバード」のグッズが貰えるキャンペーンとかやっていたみたいです。



ここから1996年に登場した列車です。




■283系 「スーパーくろしお(オーシャンアロー)」
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すいません。新車登場告知のパンフレットは持ってませんでしたが、デビュー10周年記念のカードを持っていたのでお茶を濁してます。

1996年7月31日の夏休みシーズンにデビュー。
見るからに「イルカ」がイメージできる前頭部、これは驚きでした。
そして、「スーパー雷鳥(サンダーバード)」に続いて、「スーパーくろしお(オーシャンアロー)」というこれまた長~い愛称にもビックリ(笑)
数年後にはあっけなく、ただの「オーシャンアロー」に改称されてますけどね。




■383系 「(ワイドビュー)しなの」
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あら、また( )付きの愛称ですね。
383系は1995年春から臨時「しなの」で営業運転を開始。
1996年末のダイヤ改正で、一気に定期「しなの」を381系から383系に置き換えてしまいました。

パンフレットでは新車への期待感を煽る写真がいっぱいに使われています。
自慢の振り子機能についても、絵入りで解説が載っていますね。




ちなみに1995年・1996年はこんなことがありました。

--JRグループのできごと(1995)--
・185系200番台に「フルフル」編成が登場。シュプール号でデビュー
・東京駅中央線ホームの重層化が完成
・キハ281系「スーパー北斗」がローレル賞を受賞
・「C62ニセコ」が運転を終了
・キハ283系試作車が試験走行を開始
・身延線に373系特急「ふじかわ」が登場
・「にちりん」にリニューアル783系投入開始
・「にちりん」系統を宮崎分離 宮崎-西鹿児島間に「きりしま」を新設
・JR九州の485系ボンネット車が全車定期運用を離脱
・東北新幹線に近距離列車「なすの」を新設
・山形新幹線400系「つばさ」を全編成、6両から7両に増強
・常磐線でE501系が運用開始
・京浜東北線209系に6ドア車両を組み込み開始

--JRグループのできごと(1996)--
・特急「はつかり」にリニューアル485系3000番台が登場
・165系急行「東海」が廃止、373系化の特急「東海」に
・同じく165系の大垣夜行が廃止、373系化の快速「ムーンライトながら」に
・豊橋-飯田間に特急「伊那路」を新設
・秋田新幹線工事のため田沢湖線を閉鎖 北上線に「秋田リレー号」を設定
・公募により、秋田新幹線の愛称を「こまち」に決定
・「つばめ」「ドリームつばめ」が全列車787系化
・五能線「ノスタルジックビュートレイン」が引退
・「300X」が当時の国内最高速443Km/hを記録
・「WIN500」が全ての試験走行プログラムを終了、引退
・883系がブルーリボン賞、383系がローレル賞を受賞


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パンフレットに見るJR特急ヒストリー -Vol.10 1997/1998

このシリーズも10回目。今回は1997年と1998年です。


■500系 「のぞみ」
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今では桧舞台の「のぞみ」から撤退してしまいましたが、今でもきっと一番人気の新幹線ではないでしょうか。

ここでご紹介したパンフレットは、中国の上海へ留学在学中に入手しました。
上海市内で「国際高速鉄路展覧会」みたいなイベントがあったので見に行ったのですが、日本は「JRグループ」としてブース展開していて、そこでこの500系の公式カタログを貰いました。

パンフレットの中は外観から内装・機器・スペックに至るまで細かく、そしてかっこいい写真が次々と押し寄せてくるかのような誌面構成で、ヨーロッパブースで配っていた高速列車のものと比べてもダントツの出来栄えでした。

この「国際高速鉄路展覧会」でもらったパンフレット類は、また別の機会にご紹介したいと思います。




■E3系 秋田新幹線「こまち」
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>>>登場当時の時刻表はコチラ<<<

2例目の新在直通の秋田新幹線「こまち」が3月に開業。

前回の400系とは違い、先行車と量産車では大きく顔のデザインが変わったのがよく分かるパンフレット表紙。
見開きの誌面では車内の写真がいろいろと出ていますが、2+2になったグリーン席は、その下に載っている指定席車の写真と見比べてもあんまり区別がつかないような・・・

登場当時は5両編成だったんですね。まさに「ミニ」新幹線(笑)



■E2系 長野新幹線「あさま」
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E2系新幹線は、東北新幹線用のJ編成が「こまち」デビューと同時に「こまち」併結の「やまびこ」でデビューしていましたが、本格的な活躍というのはこの「長野新幹線あさま」でのデビューからというイメージが強いですね。

特急「あさま」廃止と信越本線分断による碓氷峠フィーバーもまだ記憶に新しいところ。
でも、もう13年も前のことなんですねぇ。
中国から帰ってきて初めて新幹線「あさま」に乗った時、これまではせいぜい上野から高崎に着く位の所要時間で、東京から終点の長野まで辿り着けてしまうその速さに改めて「新幹線ってスゲエ!」と感じました。


ところでこのパンフレット、なんかヘンだと思いませんか?

「新幹線「あさま」長野へ。」

普通だったら、「○○新幹線「あさま」」とか書きますよね。
現に、この上でも「秋田新幹線「こまち」3月22日登場」って書かれてます。

本来なら「北陸新幹線」になるんでしょうけど、長野までの暫定開業みたいな感じだし、でも「長野新幹線」って言い切ってしまうのは「北陸新幹線計画」に乗っているカタチの路線なのでJR東日本には躊躇われたんでしょう。
結局「長野行き新幹線」という苦肉の愛称も定着せず、すっかり「長野新幹線」になりました。


この年は、「新幹線イヤー」と呼ばれるほどたくさんの新幹線車両が登場しました。
登場告知パンフレットは持っていないのですが、年末にはE4系「Max」も登場しています。




■E653系 「フレッシュひたち」
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1989年に651系「スーパーひたち」がデビューして以来、651系と485系のコンビで活躍を続けてきた常磐特急に、ついに485系を駆逐すべく新車が投入されました。

編成ごとに色が違うという、JR特急として初めての試みがなされ、パンフレットでもそのカラフルなファミリーのカラーコンセプトを紹介するように誌面が大きく使われています。
E653系はグリーン席のないモノクラス構成なので普通車の紹介しか載っていませんが、「シートピッチも910mmとワイドになり、ゆったりとくつろげます」というとんでもないくだりで堂々と紹介されています。
「910mm」って485系と同じなのに、それを「ワイドになり」って・・・・「景品表示法」的にどうなの?(笑)

この新車の投入列車には新しく「フレッシュひたち」という愛称がつきました。
その後13年経った今でも「フレッシュひたち」で、よく鉄道ファンからは「いつまで「フレッシュ」なんだ?」と批判の的になってますけど、実は「乗る度に違う色の特急が来て、「フレッシュ」な気分で乗れる」という意味合いだということをご存知な方は少ないようで・・・・



■キハ283系 「スーパーおおぞら」
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ちょっと時系列が戻りますが、1997年3月に登場の「スーパーおおぞら」。
札幌-釧路の超長距離を3時間台で結んでしまうという、バケモノみたいなディーゼル特急。
「スーパー北斗」に続き、それまでどちらかというと空路が有利だった区間に殴り込みをかけて、利用者のシェアを空路からかっさらいました。

パンフレット誌面では、自慢の豪華グリーン席の多機能ぶりを大きく紹介。
ツインクルレディによる数々の車内サービスも紹介しています。
その後の増備車両では若干の手直しがされましたが、今に至るまで座席・サービスともにグレードダウンせずにきている点はスゴイと思います。



ここからは1998年登場の列車です。


■285系 「サンライズエクスプレス」
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583系以来の「寝台電車」が登場。
コンパクトにまとめた個室が主体の2階建て車両で、A個室やシャワー室も完備している点から「このサンライズのような車両が作れるのだから、これからの寝台特急は安泰だ」とわずかでも夢見たファンは少なかったと思います。

パンフレットは見開きいっぱいに多彩な個室や共用設備を紹介。
柔らかな照明に木目調の美しいインテリアは写真からも充分に雰囲気が伝わってきて、それまで改造車ばかりだった豪華寝台特急は、今の技術で作るとこうも素晴らしいものになるのかと思いました。

「数年後にはきっと「サンライズ富士」「サンライズ日本海」なんかが走っているんだろう」と想像したものですが・・・


--JRグループのできごと(1997)--
・JR北海道はキハ183系列の「HET」化を完了
・寝台特急「あけぼの」を廃止、寝台特急「鳥海」を新たに「あけぼの」に改称
・北越急行開業 特急「はくたか」登場
・283系が130Km/h運転を開始 愛称を「オーシャンアロー」に単純化
・日豊特急の愛称を整理 大分止まりを「ソニック」、宮崎直通を「にちりん」に変更
・「カートレイン北海道」をこの年の運行を最後に廃止
・JR東日本は新幹線愛称を整理 「とき」「あおば」の愛称を廃止
・11月のダイヤ改正で500系のぞみ東京乗り入れ開始 早朝便の「名古屋通過」を解消
・寝台特急「富士」を大分止まり、「はやぶさ」を熊本止まりに。食堂車が編成から離脱


--JRグループのできごと(1998)--
・東海道新幹線「ひかり」から0系運用が消滅 全て「こだま」運用に
・3月31日限りで周遊券制度を廃止
・京浜東北線の209系化が完了、103系は同線から完全撤退
・「しまんと」「うずしお」でN2000形がデビュー
・「MOTOトレイン八甲田」をこの年の運行を最後に廃止
・「日本海モトとレール」をこの年の運行を最後に廃止
・NHKドラマ「すずらん」のロケ撮影で真岡鉄道C12蒸気機関車が北海道まで遠征
・勝田区485系ボンネット編成に国鉄色が復活
・485系「ひたち」廃止に伴い、上野口特急から485系が消滅

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京九快速

Author:京九快速
ちょいちょいアップします。

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